2024年3月22日 (金)

スリランカ旅行事情その3(宿泊編)

 スリランカは観光立国で観光関連の収入ウェイトが高い国だ。コロナ禍でその収入が絶えたこともあり、一時は経済危機に陥った。

 列車で西海岸を移動すると大型高級リゾートやゲストハウスの類がたくさん目に留まる。観光客にとって宿泊施設の選択肢は豊富だ。

 もとより飛行機はエコノミー席しか乗れない身なので、ピンからキリまでの宿の選択肢の中ではキリのちょっと上あたりということになる。

 どうも、そのあたりの宿が快適性とお値段のバランスが取れているようだ。

 Galleで泊まった宿は個人のお屋敷を改装して宿泊施設にしたもの。朝食付きで一泊7,700円程、朝食も美味しく私たちには充分な宿だった。

 宿の名前はArches Fort。リンクはこちら

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 コロンボでは日系の大型ホテルが事前払いという条件で格安の料金を出していて、そこを選択した。

 床の仕上げなどは簡素だが、バスルームは高級ホテル並み。ベッドルームの広さも充分で快適だった。

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 ただし問題がひとつ。部屋の掃除が終わっていてもタオルが置いてないことが数度あった。電話すると直ぐに届けるとは言わず「××時間後に届けます」との返事が返ってくる。さて、届いたタオルだが、乾燥が終わった直後のようでホカホカと暖かい。推測するにタオルの絶対数が不足していて朝に回収したタオルを洗濯乾燥し、自転車操業のように廻して午後遅くに部屋に届けているようだ。安宿も含めてそんな経験をしたことは今までなかった。

 ウォッシュタオル、フェイスタオル、バスタオル、すべてのタオルが揃ったことも5泊中についぞなかった。

 料金はというとGalleの宿より安く1泊朝食なしで5,600円程。タオルの件は「日系」ホテルとしての評判にもかかわるので何とかして欲しいものだ。タオル類を買い増しすれば済むことなのに。

 ホテルの名前はGrandbell Hotel Colombo、リンクはこちら

2024年3月19日 (火)

スリランカ旅行事情その2(食事編)

 スリランカでの交通費はとても安いのだが、結構に高く感じるのが食事代。特に観光客やネクタイ姿のビジネスマンが来るような店は日本並みのお値段だ。

 ドアマンがいるその高級店で食べたチキンカレーと海老カレー。ローカルブランドの生ビールと水、デザートのフルーツプレート一皿を合計したお代は食事代5,900ルピー、税金とサービスチャージが2,030ルピーで、二人分合計が7,929ルピーだった。日本円では約4,000円ぐらいだ。

 店の名はCeyron Curry ClubImg20240304131543_1413_2

 観光客もネクタイ姿のビジネスマンもいない庶民派の店で食べたチキン・ビリヤーニとプラウン・ビリヤーニ。水の小ボトルも頼んで、2,150ルピー、サービス料が215ルピー加算されて二人分計2,365ルピーだった。日本円では1,200円ぐらいだ。ただし、スリランカの一人当たりGDPは日本の1/10ぐらいなので、安定収入のあるミドルクラスぐらいでないと入れないのではないかと思われる。

 店の名前はNew Banana LeafImg_20240307_122555_1416

 スリランカでは酒類は贅沢品だ。日本のコンビニで1本700円ぐらいで売られているチリワインが地元のスーパーでは3倍ほどの値が付いている。地元産の缶ビールは日本より少し安い程度だ。 

2024年3月17日 (日)

取立山へ残雪のハイキング

 県内の山でちょくちょく登るのは取立山だ。新緑の頃もよいが、残雪期のハイキングは格別だ。休日だと入山者も多いので、単独登山でも安心できる。

 快晴の天気予報となった3月16日の土曜日、残雪期としては10年振りに出かけた。

 国道脇の駐車場に到着したのが8時頃。ほぼ満車状態で、車のナンバープレートを見ると県外からの登山客が1/3ぐらいを占めている。登山道へと続く林道はまだ雪がたっぷりと残っていて、ところどころショートカットしながら進んでいく。

 夏の登山道入り口に着いたのは9時40分頃、尾根に出たのが10時頃。

 尾根に出ると風も出てきて、体感温度が低下する。ウィンドブレーカーを着用して頂上を目指した。

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 お昼少し前に頂上に到着、白山の大パノラマを満喫しながらの贅沢な昼食をとった。

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 帰路は気温が上がったことで雪が緩み、足元を深みに取られて難儀しながらの下山となった。

 10年前のデータと比較すると昇り降りともそれぞれ1時間弱のオーバー。前回トータル5時間のところ、今回は6.5時間のタイムとなった。

 今回はスマホを携帯し、yamapというアプリで登山記録を残した。このアプリで同じ3月16日に取立山へ登山した他のハイカーの記録を見てみると所要タイムは5時間から6時間ぐらいだ。年齢からすると私のタイムはまずまずかな。

 Yamapの3月16日の記録はこちら

2024年3月13日 (水)

スリランカ旅行事情その1(交通機関編)

 スリランカへの旅は20年振り。前回は滞在中にスマトラ沖地震が発生し、スリランカも津波に襲われた。果たして帰りの飛行機が飛ぶかどうかで心配したのだが、なんとか予定どおり帰国できた。

 当時は行き当たりばったりの一人旅だったが、今回は連れあいとの二人旅ということもありネットで宿も予約手配しての余裕の旅だ。

 しかし、ネットが発達してもままならないのがスリランカの交通事情。ネットで探しても情報がなかなか見つからないし、見つけたとしても古すぎる。

 バンダラナイケ国際空港には深夜に到着したので、すぐ近くの宿に一泊し、翌日向かったのが南部の都市であるゴール(現地ではガールと発音)。

 宿からタクシーでKadawathaという町にある高速バスのターミナルに向かい、そこでバスに乗り換えた。バスは立派な高速道路をスムーズに走り、1.5時間で無事ゴールに到着した。タクシー代約2,000円、バス料金500円と日本に比べて格段に安い。

 この情報を収集したのはRome2rioというサイト。情報はまずまず正確だったが、リンク先のTimetableはシンハラ文字で表記されている。 

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バス車内の様子Img_20240227_101928_1399

 ゴールの滞在を終えてから向かったコロンボへはスリランカ国鉄の列車を使った。一日に数本しか走っていないのでちょっと不便だが、鉄道好きには外せないだろう。2等車のチケットを買ったつもりがなぜか1等車になっていて料金は格安の600円だった。

 コロンボの市内の移動は3輪タクシーをメインに使った。配車アプリで手配すればトラブルも避けされるし、料金はクレジットカードでの引き落としになるので現金のやり取りもしなくて済む。旅行者にはすこぶる便利だ。

 市内の主なスポットなら200円もかからないので、なんだかドライバーに申し訳ない気になってしまう。配車アプリでチップも加えて支払った。 

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 何回かは市内バスにも乗った。地図アプリを使えば路線番号とルートが出てくる。料金は外国人料金と思えてローカルの乗客とは違って車掌は高い料金を言ってくる。それも車掌によってまちまちだが、外国人料金といってもせいぜい15円から20円ぐらいだ。切符は一度もももらえなかった。地元の人と混じってローカルバスに乗るのは面白い体験だ。

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 スリランカの人々は総じて穏やかな人が多いので、慣れない土地での移動もそれほど緊張を感じなくて済む。

2024年2月24日 (土)

ドキュメンタリー映画 "The 1619 Project"

 Netflixなどのアメリカ資本のネットメディアサービスはなかなかに優れたドキュメンタリー映画を配信している。

 なかでもアメリカ社会における黒人問題を扱った番組は充実している。”The 1619 Project”もその一つで、ニューヨークタイムズのプロジェクト記事を現地に取材して映画化したもの。執筆陣の一人であり、ピュリッツァー賞受賞者でもあるNikole Hannah jonesがこの映画の案内役となっている。

 タイトルにある"1619"とはアフリカ大陸から連行されてきた黒人がアメリカ本土に初上陸した年を指す。

 本として出版もされていて、その本を公立校の教科書に採用したり、反対に図書館の蔵書から追放するべきだと、左右両者から論争の的になったとのことだ。

 この映画を見て知ったのだが、アメリカの開拓初期には白人の奴隷が存在し、黒人奴隷と一緒に奴隷主に対して反乱を起こした歴史があるそうだ。奴隷を表す英語のスレイブはスラブ人のスラブにその語源があるそうだ。

 ずっと不思議に思っていたことなのだが、スペイン語だとムラートやメスティーソ、フランス語ではクレオールなど、黒人や先住民との混血を表す表現があるのだが、英語表現では一般化されたものがない。オバマは日本人からみればハーフなのに「黒人」初の大統領ということになっている。

 どうもその大きな一因にかつての法律があるようだ。その法によると「一滴でも黒人奴隷の血が入っている者は黒人奴隷と規定される。」なぜかと言えば、奴隷所有者と奴隷との間にできた婚外子に相続権を与えないためだ。「黒人奴隷には法的権利がないので、混血児を黒人奴隷と規定すれば財産相続からその者を排除できる。・・・」 そういう理屈でいくとケビン・コスナーもジョニー・デップもアメリカ先住インディアンということになってしまう。と言うこと以上に大概の人はネアンデルタール人ということになってしまう。

 同じ植民者でもスペイン人は南米で現地化していき、メキシコではメスティーソが社会の多数派にさえなっている。それに比べてアングロサクソンはどうにも偏狭な人たちのように思えてくる。

The 1619 Projectの公式ウェブサイトはこちら 

2024年2月 6日 (火)

ドイツ映画 “白いリボン”を久しぶりに視聴

 2009年にカンヌでパルム・ドールを受賞した作品。監督はミヒャエル・ハネケ。

 私の生涯ベストテンに入れている作品なのでもう一度見たいと思っていたのだが、ネット配信は途切れたままになっていた。それがアマゾンプライムで新着になっているのを発見した。

 視聴してみるとオーディオ言語がDeutschとされているのに、実際のセリフはフランス語だ。まるでタチの悪い冗談のようで、とても視聴ができたものじゃない。見るのはあきらめてしまった。

 ところが最近になってHuluにお試し加入してみたところ、この作品がラインアップされている。恐る恐る見始めると、セリフはちゃんとしたドイツ語だ。Huluに感謝しなくてはいけない。(アマゾンがいい加減すぎるだけなのだが)

 時は第一次世界大戦直前、北ドイツ(当時はプロイセン)にある農村が舞台となっている。大地主である貴族に支配されているその村で不可解な事件が次々と起きていく。村の教師であった人物が語り部となって当時の事件を回想していくことで物語は進んで行く。

 子役達の自然な演技も良いのだ、何と言ってもモノクロの映像が素晴らしい。衣装や背景、小物類にも目配りが行き届いていて、視聴するにつれてその時代にその村の一員になって一部始終を目撃していくような気分になっていく。

 主人公に感情移入していくという経験は良くあるが、映画が描く世界に深く入り込んでいくことができるということはそうそうない。紛れもない傑作だ。

2024年2月 1日 (木)

スリランカのビザを電子申請

 スリランカへの入国に際しては観光目的であってもビザが必要だ。渡航が近づいてきたため電子申請を行った。入国時の空港で紙のフォームによって申請する手もあるそうなのだが、それでは手間も時間もかかりすぎるとのことだ。

 申請サイトの入口は日本語表示されているのだが、そこから申請のフォームにたどり着くと英語表記のものしかない。

 手元にパスポートやエアーチケットを用意し、順々に入力していく。無事に完了してスリランカ入管当局からメールが届いた。

 通常はビザ代として50USDが必要なのだが、昨年の暮れから今年の3月末日までの間、観光客の入国を促進するため一時的に無料となっている。

 申請手続きの参考にしたサイトはこちら

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2024年1月23日 (火)

ドキュメンタリー映画 "パレスチナ 1948・NAKBA"

 タイトルにある「1948」はイスラエル建国の年、「NAKBA」はアラブ語で「大惨事」を意味する。パレスチナ難民にとってこの二つは結びつく。

 監督した広河隆一氏はイスラエルの農業共同体であるキブツに暮らした経験を持つ。その時キブツ近くで集落の廃墟を見つける。そのことに疑問を抱いた同氏がその集落の歴史を追い始めることになる。以来イスラエルとパレスチナ双方を行き来しながら永年にわたり取材を続けてきた。その記録を集大成したものがこの映画だ。公開は2008年。

 ドキュメンタリー映画は結構な数を見てきたつもりだが、パレスチナ問題を扱ったものを視聴するのはほとんど初めての経験。問題の大きさに比べて、まとめられた映像資料を見られる機会があまりにも少ない。そんな中で日本人がここまで問題を掘り下げ、これだけのドキュメンタリー映画を作り得たのは驚きだ。

 この映画、ただパレスチナ側だけを取材しているわけではない。広河氏はイスラエル側の平和運動にも直接参加した経験を持ち、イスラエル人の歴史学者、元軍人などにも幅広く取材している。

 パレスチナ人の難民のことをイスラエルとアラブ諸国が戦争を始めたことで、「戦火を逃れるために一時避難している人達」と理解しているとしたら、それは大きな間違いだ。この映画を見ればそのことが事実としてわかるようになる。

 パレスチナ問題の事の始まりを知っておかないと、問題の全容はとうてい見えてこない。この映画はその取り掛かりとしての役割を充分に果たしているように思える。

 この映画、U-NEXTで現在配信中。お試し加入すれば視聴できる。

 製作者の広河氏は性加害を行ったことで告発され、現在係争中だ。経過概要はこちら

2023年12月31日 (日)

フォーク デュオ "Mandolin Orange"

 アメリカのカントリーやフォーソングはあまり聴かないのだが、最近気に入ってヘビーローテーションしているのが男女デュオのマンドリン・オレンジ。

 Andrew Marlinのかすれ気味の声とEmily Frantzが奏でるフィドルの旋律がとても魅力的に響く。

 来日公演があるのなら出かけてみたい。小さなホールで聴くと良いだろうね。

2023年12月24日 (日)

インド系スタンダップ・コメディアン "Hasan Minhaj"

 アメリカの舞台芸としてのコメディは日本の掛け合い漫才とは違って一人で演じるものが主流のようだ。Netflixには結構な数の番組が出ていて大きな劇場を一人で満員にして喝采を浴びている人がたくさんいる。

 ハッサン・ミンハジもその一人だが、インド人の両親を持つ在米2世でモスレムという経歴の人。アメリカ社会でのインド系の活躍は最近かなり目立っていて、映画やドラマにはIT企業の経営者や医師として頻繁に登場する。

 この人の持ちだねは社会制度や政治というカタイ話で、日本の芸能界では避けて通るもの。笑いのオブラートには包まれているが直球で飛んでくる。当然英語でしゃべりまくるのだが、意外にも字幕でも結構に楽しめる。

 その彼が自身の生い立ちや家族、芸歴をタネにして独演しているのが「ハサン・ミンハジのホームカミング・キング」という番組。笑えるのだが、モスレムVsヒンドゥーという際どい宗教ネタには思わずドキリ。

 日本でも松尾貴史あたりが政治ネタの一人漫才をNetflixでやってくれないだろうか。

 この番組を紹介したダイジェスト動画があるのだが、残念ながら日本語字幕がない。

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