トレッキング7日目(11月13日)、ナムチェへ撤退
起床して体温を測ると36.8℃、頭痛もある。
次のドーレへと進むと高度も500m上がってしまうので、ここで停滞するか、戻るかの選択しかない。
ポルツェ・テンガは谷底で、展望もきかないし、停滞休養はしたくない場所。
すっかり弱気にもなっていたので、ナムチェへ戻ることにした。
昨日下ってきたモン・ラへの道は急坂なので、考えるだけでもしんどい。宿にそこまでのポーターを頼む。
言い値の1,500R≒1,500円でOKした。ちょっと高いけど仕方ない。
宿の取り分が500R、ポーターの取り分が1,000Rのようだ。
(渡した1,500Rのうち、ポーターが1,000R掴んでいったのでわかった。)
臨時のポーターをしてくれた人は宿のコックで、ルクラから更に3日ほど歩いた村からここへ働きに来ているとのことだった。
モン・ラへの坂の途中でヒマラヤ・タールの群れに遭遇。
ウシ科なので、カモシカの仲間だ。
Nikon P7000は望遠Max200mm相当なので結構寄れる。
はるか向こうに有名なタンボチェの僧院が見える。谷底から続くジグザグの登りは見るからにきつそうだ。
荷物を持たないと楽だ。1時間ほどでモン・ラ着、標高差300m程の登りだった。
↓モン・ラ(3,970m)からの眺め、エベレストは隠れてしまって見えない
↓昨日登ってきて、これから下るナムチェ、クムジュン方面への道
モン・ラさえクリアーできれば、後はゆるゆるとした下りだけなので、一人で荷物を担いでも楽勝だ。
↓下りの途中で、ヤク使いの少年が画面にタッチして、スマートフォンで遊んでいた。
ここら辺の電波インフラはすっかり整備されているので、スマートフォンの普及は日本とほぼ同時進行だ。
↓エベレストB.C.方面への分岐点となるキャンジュマで一服
後ろの山はタムセルク6,618m
ナムチェ着。メインストリート角の一等地にあるThawa Lodgeに荷を降ろす。
ベーカリー・カフェも併設していて、なかなか繁盛している。
部屋の壁はクリーム色に塗装してあるし、床もちゃんとしている。設備が良い宿だ。
ベーカリー・カフェで充分儲かっているからなのか、2泊したいずれも客は私一人だけだった。
静かに泊まりたい人には良い宿だ。
確かにカフェの方が経営効率は良い。小さなテーブルでも客が2人くれば平均消費単価500Rとして1,000Rの売り上げ。
宿の方はでかい部屋を用意しても室料200R※だし、食事の売り上げも客2人延べ4食として2,000Rぐらいだろう。
なので、カフェの回転を上げた方がはるかに儲かる。
この宿は立地がカフェに適しているので、経営方針としては当然カフェ重視路線となる。
宿泊設備は昔の名残りのようなものだ。
夕方に体温を測ってみると依然として36.8℃だが、咳は軽くなり、鼻水も少なくなった。
その後、帰りのルクラ→カトマンズのエアーチケットを手配しようと思って、メインストリートにあるタラ・エアーのオフィスへ出向いたのだが、「もうチケットは扱っていないので、ルクラで買え」とのこと。
カトマンズへ戻る便に合わせてナムチェ周辺で時間調整しようと思っていたのだが、当てが外れた。いったい何のためのオフィスなんだろう?儲かるチャーターヘリ専用なのか・・・?
ルクラまで下ってチケットを買うメリットもあるにはある。ルクラへ行けば、タラ・エアー以外の他社のオフィスもあるので、タラ・エアーが一杯でも他社が空いていれば、それを買える。
だが、どこもチケットが取れないと、何もすることがないルクラで席が出るまで待ち続けなきゃいけない。
カトマンズ⇔ルクラ間の国内線を個人で手配して、実際に搭乗できるまでにするのはなかなかに厄介だ。
たとえチケットが買えても確実に搭乗できるわけでもない。フライト当日に搭乗券を手に入れて、待合室に入るまではわからないらしい。
※200Rはバストイレ共同の部屋のナムチェでの統一料金と思われる。部屋代は少額で食事代で利益を出す独特の料金体系は、ネパール山間部の昔からの習慣から来ているのではないかと思う。
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