2024年4月18日 (木)

Lekiのトレッキング・ポールを補修

 つい最近のことだが、Black Diamondの新しいポールを購入した。それまではLekiというブランドのポールをかれこれ30年以上も使い続けてきたのだが、ついにお役御免にすることにした。古いLekiのポールは長さを調整して固定しても負荷がかかると緩んでしまう。

 だがしかし、ちょっと待てよと調べてみるとポールとポールを固定するプラスチック製の部品を交換すれば改善するとのことで、その部品もまだ手に入る。ジョイントプラグと呼ばれているその部品を取り寄せて交換し、補修した古いポールを家族用や予備用にすることにした。

 届いたその部品、プラスチックのちっぽけなものなのだが、一個440円と結構な値段がする。サイズ違いの2種を計4個購入した。ロットの違いでパッケージのロゴが違ってくる。

 注文する際に大事なのはジョイントプラグに記載されている数字が対応するシャフトの外径サイズだという点だ。

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 交換作業はいたって簡単だ。シャフトを抜き、先端にねじ込まれているジョイントプラグを取り換え、元に戻すだけ。黒色のものが古い部品Dscn4551_1431

 テストしてみたところ、荷重をかけてもポールの固定が緩んでしまうことはなくなった。伸縮式のポールは構造がシンプルなだけに丈夫で耐久性が高い。まだ当分使えそうだ。

2024年4月13日 (土)

トレッキングポールを新規調達

 先月に残雪期の取立山へハイキングしたのだが、まずまずのタイムで山頂への往復ができた。すっかり気を良くし、もう一度ヒマラヤへのトレッキングに出かけてみようかとの気になってきた。

 貯まってきているユナイテッドエアラインのマイルでカトマンズ往復ができないか調べてみると、シンガポール航空を利用するチケットが取れるではないか。しかも地元の小松空港発着だ。

 膝関節も特に悪くはないし、体がまだ丈夫な今のうちにトレッキングに出るとの目標を立て、それに向かって準備を進めることにした。それ以来さぼり気味だったステップ台を使った有酸素運動もきっちり続けるようにしている。

 体力面はぼちぼち鍛えることにして、手持ち道具類に以前から気になっていることがあった。トレッキングポールが老朽化していて、長さ調整して固定させても力がかかると緩んでしまうことだ。30年以上も前のものだし、部品交換して延命させても他に不具合が出るかもしれない。

 で、調達したのがBlackDiamond製のDISTANCE FLZというポール。届いたものを手に取ってみると何より軽い。現在使っているものはSuper MakaluというLEKI製の伸縮式のもので、重量は一本あたり305gだが、ブラックダイヤモンドのやつは220gだ。折り畳み式なので組立も非常にスピーディーに出来る。

 写真上がBlackDiamondのポール、下がLekiのものDscn4541_1425

 ブラックダイヤモンド社の当該製品の紹介ページはこちら。

 値段はと言うと、並行輸入してこの製品を扱ってる大阪の店舗から送料込み17,379円と、かなり安く購入することができた。店の名前は「山岳金物店」。クライミング用品の専門店のようで一般のハイカーにとっては何に使うのかわからないような道具をたくさん揃えている。

 標高差のある下降は膝への負担が大きい。若くて体力のある人はトレッキングポールを使わないかもしれないが、ポールをうまく利用すれば膝関節へのダメージを最小限度に抑えることができる。高齢になっても登山やハイキングを楽しみたいのであれば、早めに使い始めることをお勧めしたい。

2024年4月 4日 (木)

ウェス・アンダーソン監督作品 "アステロイド・シティ"

 この人の映画は”天才マックスの世界”を見たのが最初で、それ以降の作品は大体見ている。今度の作品も結構楽しめた。

 「粗筋はどうなのよ」と言われても、ストーリー自体にあまり意味はないというか、見終えても説明できるほどにはならなかった。よくこうしたオタクのような映画を作り続けられるものだと、ただ感心する。固定客がいるので制作費は回収できているのだろうけど。

 主役は常連のジェイソン・シュワルツマンとスカーレット・ヨハンセン。今回は脇を固める俳優陣が凄いことになっている。エドワード・ノートン、エイドリアン・プロディ、スティーブ・カレル、マット・ディロン、ウィレム・デフォー、ジェフリー・ライト、ティルダ・スウィントン、まだまだいる・・・トム・ハンクスまで。皆さん主役級だ。

 オールスター脇役の皆さん方だが、いろんなシーンでちょこちょこと顔をだしている。いったいどうやって撮影のスケジュール調整したのだろうね。ギャラは高いし、忙しい人達ばかりだろうから。

 全編色彩が独特で、エンドクレジットを見るとコダックフィルムで撮影されている。深い意味は考えないで、素直に楽しむのが吉だ。

2024年3月29日 (金)

秋のエアーチケットを確保

 アシアナ航空はスターアライアンスに加盟していてUAのマイルも貯められるし、使うこともできる。何度か利用して会員にもなっているのだが、そのアシアナからお誘いのメールが届いた。

 ちらっと見てみると、「タシケント」という思いがけない就航先が載っている。昔々中学生ぐらいの時だが、ヘディンとかスタインとかのシルクロード探検記を夢中で読んだ記憶がある。そうした記憶を持っている身にとって、「タシケント」はなかなかに甘い囁きだ。

 ちょっと料金は高いのだが、一晩考えた末に中央アジアへと旅してみることにした。タシケントはウズベキスタンの首都なのだが、国内には有名なサマルカンドというオアシス都市がある。それに加えて、ウズベキスタンはソ連邦から自立して以来国情も安定し、観光客誘致に積極的だ。そうした条件もあって、中央アジアの国々の中では一番人気の渡航先になっているとのことだ。

 とりあえずチケットは確保したのだが、ウズベキスタン国内の交通事情とかは全く知識がない。一から情報収集しなくてはいけないのだが、未知の国への旅をぼちぼちと準備をしていくというのもなかなかに楽しいものだ。

 サマルカンドの情報はこちら。奈良市とは姉妹都市になっているそうだ。

 余談だが、アシアナ航空は経営不振により来年ぐらいに大韓航空に吸収されるようだ。私の中ではアシアナは好感度が非常に高いのだが、利用するのはこれが最後になるのかもしれない。

2024年3月22日 (金)

スリランカ旅行事情その3(宿泊編)

 スリランカは観光立国で観光関連の収入ウェイトが高い国だ。コロナ禍でその収入が絶えたこともあり、一時は経済危機に陥った。

 列車で西海岸を移動すると大型高級リゾートやゲストハウスの類がたくさん目に留まる。観光客にとって宿泊施設の選択肢は豊富だ。

 もとより飛行機はエコノミー席しか乗れない身なので、ピンからキリまでの選択肢の中ではキリのちょっと上あたりということになる。

 どうも、そのあたりの宿が快適性とお値段のバランスが取れているようだ。

 Galleで泊まった宿は個人のお屋敷を改装して宿泊施設にしたもの。朝食付きで一泊7,700円程、朝食も美味しく私たちには充分な宿だった。

 宿の名前はArches Fort。リンクはこちら

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 コロンボでは日系の大型ホテルが事前払いという条件で格安の料金を出していて、そこを選択した。

 床の仕上げなどは簡素だが、バスルームは高級ホテル並み。ベッドルームの広さも充分で快適だった。

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 ただし問題がひとつ。部屋の掃除が終わっていてもタオルが置いてないことが数度あった。電話すると直ぐに届けるとは言わず「××時間後に届けます」との返事が返ってくる。さて、届いたタオルだが、乾燥が終わった直後のようでホカホカと暖かい。推測するにタオルの絶対数が不足していて朝に回収したタオルを洗濯乾燥し、自転車操業のように廻して午後遅くに部屋に届けているようだ。安宿も含めてそんな経験をしたことは今までなかった。

 ウォッシュタオル、フェイスタオル、バスタオル、すべてのタオルが揃ったことも5泊中についぞなかった。

 料金はというとGalleの宿より安く1泊朝食なしで5,600円程。タオルの件は「日系」ホテルとしての評判にもかかわるので何とかして欲しいものだ。タオル類を買い増しすれば済むことなのに。

 ホテルの名前はGrandbell Hotel Colombo、リンクはこちら

2024年3月19日 (火)

スリランカ旅行事情その2(食事編)

 スリランカでの交通費はとても安いのだが、結構に高く感じるのが食事代。特に観光客やネクタイ姿のビジネスマンが来るような店は日本並みのお値段だ。

 ドアマンがいるその高級店で食べたチキンカレーと海老カレー。ローカルブランドの生ビールと水、デザートのフルーツプレート一皿を合計したお代は食事代5,900ルピー、税金とサービスチャージが2,030ルピーで、二人分合計が7,929ルピーだった。日本円にすると約4,000円ぐらいになる。

 店の名はCeyron Curry ClubImg20240304131543_1413_2

 観光客もネクタイ姿のビジネスマンもいない庶民派の店で食べたチキン・ビリヤーニとプラウン・ビリヤーニ。水の小ボトルも頼んで、2,150ルピー、サービス料が215ルピー加算されて二人分計2,365ルピーだった。日本円にすると1,200円ぐらいになる。ただし、スリランカの一人当たりGDPは日本の1/10ぐらいなので、安定収入のあるミドルクラスぐらいでないと入れないのではないかと思われる。

 店の名前はNew Banana LeafImg_20240307_122555_1416

 スリランカでは酒類は贅沢品だ。日本のコンビニで1本700円ぐらいで売られているチリワインが地元のスーパーでは3倍ほどの値が付いている。地元産の缶ビールは日本より少し安い程度だ。

 街中ではフェラーリには出会わなかったが、レンジローバーやトヨタのハイラックスをよく見かけた。東南アジアでは大型四駆車がお金持ちのステータスシンボルになっているようだ。 

2024年3月17日 (日)

取立山へ残雪のハイキング

 県内の山でちょくちょく登るのは取立山だ。新緑の頃もよいが、残雪期のハイキングは格別だ。休日だと入山者も多いので、単独登山でも安心できる。

 快晴の予報となった3月16日の土曜日、残雪期としては10年振りに出かけた。

 国道脇の駐車場に到着したのが8時頃。ほぼ満車状態で、車のナンバープレートを見ると県外からの登山客が1/3ぐらいを占めている。登山道へと続く林道はまだ雪がたっぷりと残っていて、ところどころショートカットしながら進んでいく。

 夏の登山道入り口に着いたのは9時40分頃、尾根に出たのが10時頃。

 尾根に出ると風も出てきて、体感温度が低下する。ウィンドブレーカーを着用して頂上を目指した。

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 お昼少し前に頂上に到着、白山の大パノラマを満喫しながらの贅沢な昼食をとった。

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 帰路は気温が上がったことで雪が緩み、足元を深みに取られて難儀しながらの下山となった。

 10年前のデータと比較すると登り下りともそれぞれ1時間弱のオーバー。前回トータル5時間のところ、今回は6.5時間のタイムとなった。

 今回はスマホを携帯し、yamapというアプリで登山記録を残した。このアプリで同じ3月16日に取立山へ登山した他のハイカーの記録を見てみると所要タイムは5時間から6時間ぐらいだ。年齢からすると私のタイムはまずまずかな。

 Yamapの3月16日の記録はこちら

2024年3月13日 (水)

スリランカ旅行事情その1(交通機関編)

 スリランカへの旅は20年振り。前回は滞在中にスマトラ沖地震が発生し、スリランカも津波に襲われた。果たして帰りの飛行機が飛ぶかどうかで心配したのだが、なんとか予定どおり帰国できた。

 当時は行き当たりばったりの一人旅だったが、今回は連れあいとの二人旅ということもありネットで宿も予約手配しての余裕の旅だ。

 しかし、ネットが発達してもままならないのがスリランカの交通事情。ネットで探しても情報がなかなか見つからないし、見つけたとしても古すぎる。

 バンダラナイケ国際空港には深夜に到着したので、すぐ近くの宿に一泊し、翌日向かったのが南部の都市であるゴール(現地ではガールと発音)。

 宿からタクシーでKadawathaという町にある高速バスのターミナルに向かい、そこでバスに乗り換えた。バスは立派な高速道路をスムーズに走り、1.5時間で無事ゴールに到着した。タクシー代約2,000円、バス料金500円と日本に比べて格段に安い。

 この情報を収集したのはRome2rioというサイト。情報はまずまず正確だったが、リンク先のTimetableはシンハラ文字で表記されている。 

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バス車内の様子Img_20240227_101928_1399

 ゴールの滞在を終えてから向かったコロンボへはスリランカ国鉄の列車を使った。一日に数本しか走っていないのでちょっと不便だが、鉄道好きには外せないだろう。2等車のチケットを買ったつもりがなぜかエアコン完備の1等車になっていたのだが、それでも料金は格安の600円だった。

 コロンボの市内の移動は3輪タクシーをメインに使った。配車アプリで手配すればトラブルも避けされるし、料金はクレジットカードでの引き落としになるので現金のやり取りもしなくて済む。旅行者にはすこぶる便利だ。

 市内の主なスポットなら200円もかからないので、なんだかドライバーに申し訳ない気になってしまう。配車アプリでチップも加えて支払った。 

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 何回かは市内バスにも乗った。地図アプリを使えば路線番号とルートが出てくる。料金は外国人料金と思えてローカルの乗客とは違って車掌は高い料金を言ってくる。それも車掌によってまちまちだが、外国人料金といってもせいぜい15円から20円ぐらいだ。切符は一度もももらえなかった。地元の人と混じってローカルバスに乗るのは面白い体験だ。

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 スリランカの人々は総じて穏やかな人が多いので、慣れない土地での移動もそれほど緊張を感じなくて済む。

2024年2月24日 (土)

ドキュメンタリー映画 "The 1619 Project"

 Netflixなどのアメリカ資本のネットメディアサービスはなかなかに優れたドキュメンタリー映画を配信している。

 なかでもアメリカ社会における黒人問題を扱った番組は充実している。”The 1619 Project”もその一つで、ニューヨークタイムズのプロジェクト記事を現地に取材して映画化したもの。執筆陣の一人であり、ピュリッツァー賞受賞者でもあるNikole Hannah jonesがこの映画の案内役となっている。

 タイトルにある"1619"とはアフリカ大陸から連行されてきた黒人がアメリカ本土に初上陸した年を指す。

 本として出版もされていて、その本を公立校の教科書に採用したり、反対に図書館の蔵書から追放するべきだと、左右両者から論争の的になったとのことだ。

 この映画を見て知ったのだが、アメリカの開拓初期には白人の奴隷が存在し、黒人奴隷と一緒に奴隷主に対して反乱を起こした歴史があるそうだ。奴隷を表す英語のスレイブはスラブ人のスラブにその語源があるそうだ。

 ずっと不思議に思っていたことなのだが、スペイン語だとムラートやメスティーソ、フランス語ではクレオールなど、黒人や先住民との混血を表す表現があるのだが、英語表現では一般化されたものがない。オバマは日本人からみればハーフなのに「黒人」初の大統領ということになっている。

 どうもその大きな一因にかつての法律があるようだ。その法によると「一滴でも黒人奴隷の血が入っている者は黒人奴隷と規定される。」なぜかと言えば、奴隷所有者と奴隷との間にできた婚外子に相続権を与えないためだ。「黒人奴隷には法的権利がないので、混血児を黒人奴隷と規定すれば財産相続からその者を排除できる。・・・」 そういう理屈でいくとケビン・コスナーもジョニー・デップもアメリカ先住インディアンということになってしまう。と言うこと以上に大概の人はネアンデルタール人ということになってしまう。

 同じ植民者でもスペイン人は南米で現地化していき、メキシコではメスティーソが社会の多数派にさえなっている。それに比べてアングロサクソンはどうにも偏狭な人たちのように思えてくる。

The 1619 Projectの公式ウェブサイトはこちら 

2024年2月 6日 (火)

ドイツ映画 “白いリボン”を久しぶりに視聴

 2009年にカンヌでパルム・ドールを受賞した作品。監督はミヒャエル・ハネケ。

 私の生涯ベストテンに入れている作品なのでもう一度見たいと思っていたのだが、ネット配信は途切れたままになっていた。それがアマゾンプライムで新着になっているのを発見した。

 視聴してみるとオーディオ言語がDeutschとされているのに、実際のセリフはフランス語だ。まるでタチの悪い冗談のようで、とても視聴ができたものじゃない。見るのはあきらめてしまった。

 ところが最近になってHuluにお試し加入してみたところ、この作品がラインアップされている。恐る恐る見始めると、セリフはちゃんとしたドイツ語だ。Huluに感謝しなくてはいけない。(アマゾンがいい加減すぎるだけなのだが)

 時は第一次世界大戦直前、北ドイツ(当時はプロイセン)にある農村が舞台となっている。大地主である貴族に支配されているその村で不可解な事件が次々と起きていく。村の教師であった人物が語り部となって当時の事件を回想していくことで物語は進んで行く。

 子役達の自然な演技も良いのだ、何と言ってもモノクロの映像が素晴らしい。衣装や背景、小物類にも目配りが行き届いていて、視聴するにつれてその時代にその村の一員になって一部始終を目撃していくような気分になっていく。

 主人公に感情移入していくという経験は良くあるが、映画が描く世界に深く入り込んでいくことができるということはそうそうない。紛れもない傑作だ。

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