ドイツ映画 “白いリボン”を久しぶりに視聴
2009年にカンヌでパルム・ドールを受賞した作品。監督はミヒャエル・ハネケ。
私の生涯ベストテンに入れている作品なのでもう一度見たいと思っていたのだが、ネット配信は途切れたままになっていた。それがアマゾンプライムで新着になっているのを発見した。
視聴してみるとオーディオ言語がDeutschとされているのに、実際のセリフはフランス語だ。まるでタチの悪い冗談のようで、とても視聴ができたものじゃない。見るのはあきらめてしまった。
ところが最近になってHuluにお試し加入してみたところ、この作品がラインアップされている。恐る恐る見始めると、セリフはちゃんとしたドイツ語だ。Huluに感謝しなくてはいけない。(アマゾンがいい加減すぎるだけなのだが)
時は第一次世界大戦直前、北ドイツ(当時はプロイセン)にある農村が舞台となっている。大地主である貴族に支配されているその村で不可解な事件が次々と起きていく。村の教師であった人物が語り部となって当時の事件を回想していくことで物語は進んで行く。
子役達の自然な演技も良いのだ、何と言ってもモノクロの映像が素晴らしい。衣装や背景、小物類にも目配りが行き届いていて、視聴するにつれてその時代にその村の一員になって一部始終を目撃していくような気分になっていく。
主人公に感情移入していくという経験は良くあるが、映画が描く世界に深く入り込んでいくことができるということはそうそうない。紛れもない傑作だ。
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