ドキュメンタリー映画"真珠のボタン"
パタゴニアと言えば南米最果ての地、気象条件は厳しいが美しい自然に恵まれ、世界中からトレッカーやクライマーを引き付ける。
予備知識もなにもなく、偶然目に留まったのがそのパタゴニアを舞台にしたこのドキュメンタリー映画。穏やかな語り口のナレーションの中で、美しい自然が独自のカメラ視点で捉えられている。その映像はどこまでも美しい。
冒頭から魅せられていくのだが、映像美を追求しただけの自然紀行ではないことが次第に明らかにされていく。その美しいパタゴニアの自然の中に近現代史における二つの悲劇が眠っているのだ。しかもこれまでほとんど知られていなかった悲劇。
その悲劇を言葉に表そうとする努力は、この映画と比べるとむなしいものになるしかない。映像が美しすぎるだけに、それに反比例するかのような悲劇の深さが胸に迫る。ただただ、映像の力に感服するだけだ。
紛れもなくドキュメンタリー映画の傑作だ。「見るべき映画の一つだ」と断言できる。
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