中国のビザ免除でつまずきかけた
つい先週、中国国際航空でカトマンズ行きの片道チケットを購入した。中国本土を経由することになるのだが、同国ではコロナ禍以来日本からの入国に際しての15日間のビザ免除措置が停止されている。代わりに最近になってトランジット(乗換経由)する外国人に対して144時間までのビザ免除制度ができた。
今回の旅程は名古屋→上海→成都→カトマンズで、成都で一泊することになる。この場合上記の144時間ビザ免除制度が適用されると思い込んでいた。だが、よくよく調べてみると、上記の制度では入国した空港近くの地域にしか滞在できないことが判明した。上海だと浙江省ぐらいまではOKだが、成都までは移動できない。チケットを買ってしまった後になり「えええ・・・、本当かよ?」とあたふたする羽目になった。
最初にあたるところと言えば航空会社。とりあえず、中国国際航空のサポートセンターに電話してみると「ビザに関する問い合わせには航空会社は回答してはいけないことになっている。」とのこと。「上海→成都のフライトは国内線か」との質問には「国内線」とのこと。これで上海で入国審査をうけることがはっきりした。なので、144時間以内のビザ免除で入国しても滞在は上海近郊に限られることになる。当然だが、国内線に乗り換えて成都に移動できない。そうなる前にそもそも名古屋で搭乗できないはずだ。
観光ビザを事前に取得した記憶は遠い遠い過去のことだ。仕方ないので、中国の観光ビザの取得について調べをすすめていった。結論はとんでもなくハードルが高いということ。申請と受け取りに名古屋のビザセンターに2度出向かなくてはならない。福井から片道3時間の高速バスを使うとして、4回で12時間。旅費が3,500円×4回。ネパールでもスリランカでも電子申請で事が済むと言うのに何ということか。
ビザの取得を代行してもらう業者はあるにはあるが、商用の法人対象で個人客は相手にしてくれないようだ。もし、相手にしてくれたとしても手数料が数万円+ビザ代が0.7万円。それも申請時には指紋採取があるので必ず本人が出向かなくてはならない。
名古屋へ2往復し自分でビザ申請するとしても、フォームへの記入も相当ややこく、添付する写真の仕様でさえ厳しいとのことだ。話だけでもうめげてしまった。
もう一つの選択肢として中国国際航空のチケットをキャンセルし、シンガポール航空でチケットを買い直すというのがある。問題は金額なので、調べるとキャンセル料が1万円、チケットが6.5万円となる。こちらに傾きかけた。
「まてまて、まだ時間の余裕はあるので」と自分を落ち着かせ更に情報を探してみた。すると、ようやくyoutubeで解決策となる情報が見つかった。
その解決方は意外に簡単なもの。24時間以内のトランジットなら「入国する空港で臨時入国許可をもらえば済む。」というだけだ。144時間の場合とは違って滞在地域が限定されることもないので、上海から成都に移動できる。この制度はコロナ禍以前からあるのだが、日本人はそもそも15日間のビザ免除だったために利用する必要がなく、日本にはほとんど知られていないとのことだ。この情報になかなかたどり着けなかったのも合点がいく。
整理すると「トランジット旅客のための24時間のビザ免除(臨時入境許可)制度は以前からあって、それの滞在期間拡張版として144時間のものができたのだが、期間拡張のかわりに滞在地域が限定されるようになった」ということのようだ。
下の動画に上海空港での詳しい手順がアップされている。※パスポートに張られた許可証の停留区域(area of stay)が空欄になっているのに注目。
解説しているウェブサイトはこちら
中国の観光ビザを取得するためのハードルがあまりに高すぎるため、中国各地を周遊するパッケージツアーは今やほとんど売り出されていないようだ。
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