ニュージーランド、ミルフォード・トラック 第2日目「水没したトレールを歩く」
初日は小雨の中を2時間ほど歩いただけなのだが、デジタルカメラが雨に濡れたせいでダウンしてしまった。行動中は動いたのだが、小屋に到着してしばらくすると「内部が異常高温になっています。」とエラーを吐いて、それっきり動かなくなった。
復旧したのは3日目の夕方、その日の小屋に到着して日光の下でカメラを乾燥させてからだ。それなので、2日目と3日目の写真はまったく撮れなかった。まあしかし、写真を撮らない(撮れない)という状況はなかなか潔いよね。
2日目の朝に話を戻す。
朝食後にレンジャーからミーティングの召集があり、その日の行動の指示があった。
それによると、「メンバー全員が一団となって小屋から8マイル(約13Km)歩き、そこからヘリコプターに乗って次の小屋まで移動する。」ということだった。ヘリに乗らなければならない理由はちょっとわからなかった。
ハワイから参加している”リッチー”がリーダーに指名され、各自が身支度を整えた後にリーダーを先頭にして歩き始めた。
雨は昨日より少し強くなりずっと降り続いている。その雨の中、樹林帯の中をゆるやかに昇っていくトレイルをひたすら歩く。アウターに新調したゴアテックスのジャケットを着用しているとまったく蒸れずに快適に歩くことができる。さすがは「最新のゴアテックスだな。」と感心したのもつかの間、しばらくすると行く手のトレールが完全に水没しているのに出くわした。
そのままジャブジャブと靴のまま突入していく人に先を越されながら、私といえば裸足になって後からソロソロと水中を進んだ。そうしてモタモタとしていると、後から追いついてきたレンジャーから「時間がかかってしまうので靴を脱がずに進みなさい。」と怒られてしまった。
しばらくすると怒られた理由がわかってきた。次から次へと水没したトレールが現れ、いちいち靴を脱いでいるような状況じゃない。水没しているトレールは水が濁っていて路面の状況がわからないので、トレッキングポールで確かめながら進む。トレッカーの中には倒れ込んでしまって全身ずぶ濡れになる人もいた。
※大事な替衣類は完全防水にしておくこと。トレッキングポールは必携
ネットから拝借した水没トレールの写真、状況はほぼ同じで私も膝上まで水に浸かった
川沿いの樹林帯を抜けると一気に視界が開け、U字谷が目の前に現れる。折からの雨で数え切れない程の滝が出現し、崖上から白い筋となって谷底に流れ落ちている。雨ならではの壮観な景色だ。
そうしたトレールの途中、ところどころに「雪崩危険地帯につき立ち止まるな」の標識があるのだが、雪崩が起きると思えるほどの雪は目につかない。雪崩の危険を避けるためヘリでショートカットするとは考えにくいのだが・・・。もしかすると河川の増水で渡河できない所があるのかもしれない。
U字谷を奥の方へと進んでいき集結地点のシェルター”Bus Stop”に到着、いよいよヘリに乗り込む。 全員の荷物を1つに集め、人だけ6人一組となって次々とヘリに乗り移っていく。
私には初めてのヘリフライト体験だ。狭くなっていく谷を旋回しながら回り込み、ずんずんと飛んでいく、まるで映画のワンシーンの中に自分がいるような気分。フライト時間は10分もなかったと思うが料金95NZ$はお得だった。
お金もとるけど演出もなかなかに凝っているね環境保護局さん。
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