ヘッドフォンアンプを買ってみた
回路の集積が進み、その量産化効果によってかつては高価だったDAC(デジタルアナログコンバーター)とデジタルアンプがすっかり安くなっている。
普通のアナログアンプは持っているのだが、ヘッドフォン専用のアンプはこれまで持っていなかった。ヘッドフォン専用アンプは音質が良いらしい。そこでネットで評価の高いFOSTEX製のヘッドフォンアンプを買ってみた。
FOSTEXはオーディオファンにとっては昔から馴染みの会社で、私もスピーカーユニットを何度か買っている。
今回買ったのは“PC100USB”という製品で、PCからUSB経由で取り出したデジタル信号をアナログ信号に変換して、ヘッドフォンで再生できるように増幅する。という働きをする。お値段は税込み5,160円だった。
外観はといえば、ただの小さい金属箱にボリュームノブと最小限の端子が背面に付いているだけで、シンプルさを絵に描いたようなやつだ。
小さいのだが結構ずっしりとくる重量で、ボリュームを廻しても本体がつられてふらつくようなことはない。背面のRCA端子からは別の高出力アンプへ接続することもできる。
さっそくノートPCへ接続し、手持ちのヘッドフォン(オーディオテクニカ ATH-A900)を使ってネットワーク経由で圧縮音源(WMAロスレス)の音楽を再生してみた。PCのヘッドフォン端子に接続した場合とははっきりと違いが判る。ノイズが消えて音が明瞭になり、ボリュームを上げてもやかましい感じがしない。
次に自作のデスクトップ機にこのヘッドフォンアンプを接続してみた。普段のデスクトップ機ではサウンドカードからアナログ信号を古いアナログアンプ(YAMAHA AX-590)へ入力し、そのヘッドフォン端子で聞いている。その環境と比較してみたのだが、何度か聞き比べてもどちらが良いのかは私の耳でははっきりとはわからない。
デスクトップ機の方はサウンドカード(ONKYO SE-200PCI)に1万数千円の結構な投資をしているので、5,000円の音にあっさり負けなかったことは良かったと言えば良かったのだけど。
冬場は暖かいダイニングでノートPCを使って仕事をしている。このヘッドフォンアンプを導入したことにより、気持ち良い音で“ながら聞き”ができるようになった。PCの音質をわずかな投資で改善できるのは素晴らしい。
かつてはニッチな市場で小さな専業メーカーしか出していなかったヘッドフォンアンプなのだが、PCで音楽を再生することが定着したことにより、大手メーカーが進出してきている。多彩な製品が出回るようになって、3万円から10万円ぐらいの製品が売れ筋になっているようだ。
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