NHK「世界のドキュメンタリー」
NHKBS1で放映されている「世界のドキュメンタリー」は番組内容をいつもチェックしていて、関心のあるテーマだと録画して視聴している。やはりヨーロッパの局が作った番組に良いものが多いように思うが、アメリカでもボストン公共放送局(WGBH)はなかなか頑張っている。
今回視聴したのは「地球を食い尽くすのは誰?~“人口爆発”の真実~」というオーストリア制作の番組。
ケニアやバングラデッシュの識者へのインタビューを聞くと、先進国の政府見解などとはまったく違った視点があることに気がつかされる。
曰く、人口爆発を心配しているのはこれまで資源を独占的に消費してきて、その既得権益を失うことを恐れている先進国であり、途上国へ人口抑制政策を誘導することを最初に提唱したのはかのキッシンジャーだった。
曰く、過去の歴史をみると先進国は人口増加によって経済発展を成し遂げ、それによって結果として自然に人口抑制ができてきたのであって、その逆は成立しない。
曰く、人口はその国の力の源泉である。途上国が人口抑制できたとしても経済発展は阻害され、貧しいままに高齢化社会だけがやってくる。
曰く、一番の問題は先進国が資源を浪費し続けていることであり、その筆頭はアメリカ。中でもアメリカ軍のエネルギー消費量は北欧のある国(国名は失念)とほぼ同じ。
なかなかに“目から鱗が落ちる”思いの濃い内容だった。
NHKも“目に見えない圧力”なんか吹き飛ばして、世界に誇れる良いドキュメンタリー番組を作ってもらいたいところだ。最近は「ぐるっと地中海・・・」とかなんとかの安直な紀行番組ばかりが目立つように思う。
番組情報はこちら、18日に再放映される。
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