映画“マンチェスター・バイ・ザ・シー”
ケイシー・アフレックって、どんなキャラにでも化けることができるというわけではないのだが、役にはまると実に自然な演技をみせる。この映画では演じている人物が本当に画面の中に実在しているかのようだ。アカデミー主演男優賞受賞も納得。
本編では冒頭から息苦しいようなシーンがずっと続き、見る方としては何度もギブアップしたくなるのだが、何かがそれを思いとどまらせてくれる。やがて挿入されるフラッシュバックによってその息苦しさの理由が徐々に解き明かされていくことになる。脚本も巧みだけど、並々ならぬ監督の力量を感じさせる。脇役陣の演技も光っていて作品のリアリティーをぐっと高めている。
見終わってみるとアメリカ映画界の良心さえも感じさせてくれて、年に1本出会えるかどうかの傑作だった。製作はマット・ディモン、脚本・監督はケネス・ローガン
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