旧今立町の大瀧神社を訪問
和紙の里へは何度か行っているのだが、すぐ近くにあるこの神社のことは最近になるまで知らなかった。知ったのは偶然目にした“BRUTUS Casa”web版の記事でのこと。神社建築の傑作と評され、全国の木造建築ファンが訪れるらしい。地元に住んでいながら知らなかったなんて恥ずかしい限りだ。
以来、「いつか、そのうちに」と機会をうかがっていたのだが、普段の生活圏からはかなり遠いし、ドライブも好きではないので延び延びとなっていた。
田植え作業もひと段落したこともあり、今回ようやくにして訪問した。大鳥居から古民家が立ち並ぶ参道をしばらく歩いていくと、格調高い宝塔がずらっと並んだ正面に出る。宝塔に刻まれた紋は三つ葉葵。正面の石段を上っていくといよいよお目当ての本殿が待ち構えている。国の重要文化財にも指定されている建物だ。
木造建築のことはまったく知識がないのだが、拝殿と本殿の屋根だけが合体していて、うねうねとした複雑な曲線を形作っている。そうした造作は他に例をみないらしく、見ごたえは充分。周囲を飾る彫刻の数々もすばらしい。
独創的なこの建物の建築を指揮したのは現在の永平寺町の大工の棟梁で“大久保勘左衛門”という人物、建立は1843年とのことで、調べてみるとペリーの黒船来航の10年前になる。
神社のある地域一帯は古くから和紙の製造で栄えたのだけど、これだけの神社を建立できた当時の財力は大したものだったのだね。
“BRUTUS Casa”の記事はこちら
日経の紹介記事はこちら
CGでの解説記事はこちら
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