フィンランド映画 "ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像”
フィンランド映画といえばあまりなじみがなくて、アキ・カウリスマキ監督の小品を何本か見ているぐらい。この"ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像”も同系統のテンポのゆるい癒し系の映画かと思って見始めた。
ところが意外にも正統派のドラマだ。それも、細部の描写もきっちりとしていて完成度の高い佳作。Heikki Nousiainenという俳優が演ずる主人公の存在感も秀逸だ。
主人公である老人はヘルシンキで長年古美術店を経営しているのだが、売り上げが低迷し廃業の瀬戸際にある。ある日、オークションの下見で妙に心惹かれる作品に出合い、資金も乏しいのに無謀な大商いに打って出ようとする。そこへ疎遠だった孫が社会実習に押しかけてきて・・・・。
大商いの結果がどうなるか、謎解きの要素もあって最後まで気を持たせてくれる。大筋としては予想通りに進んで行くのだが、少しひねった結末がなかなかに良いね。こういうラストは好きだ。 この映画、有名俳優を起用してハリウッドでリメイクすると結構稼げるかも。
フィンランド語は不思議な響きがする。ヨーロッパの主要言語とは系統が離れているようだ。こちら
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