駄作な映画3連発
駄作映画は山ほどあるのだが、いつまでも心に残る駄作映画というのはそれ程多くない。大抵は途中で視聴を止めてしまうからだ。後にはなにも残らない。
世間の評価もそれなりに高い作品で、最後まで見終えることができたものの中から、どう考えても駄作な映画をご紹介。(順不同)
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”ユージュアル・サスペクツ” 1995年公開
ケヴィン・スペイシーがアカデミー助演男優賞を獲得したサスペンス映画、信じがたい事に脚本賞までもとっている。ベニチオ・デル・トロ、ガブリエル・バーンも出演していて渋い役者陣、当時は彼らのギャラも安かったものと思われる。終盤までなかなかに良い展開なのだが、最後の最後に大反則のどんでん返しが待っている。100%あり得ない結末を見せられてすべてがぶち壊しとなる映画もそう記憶にない。
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”スラムドッグ$ミリオネア” 2008年公開
今では超売れっ子のデーヴ・パテール主演。スラムで育ちで全くの無学なのだが、その体験を通じて知識を身に着けたという青年。その青年がTVのクイズ番組に挑戦して勝ち上がっていくというお話。アカデミー賞作品賞を獲得。
インドが舞台だし、興味をそそられる設定。それにもまして作品賞なのだから、期待感一杯で見始めたのだが、まずは俳優がミスキャスト。いかにも育ちが良さそうで、正調の英語を話すデーヴ・パテールがスラム育ちなはずがないでしょう。風貌からしてもインドに侵入して支配階級となったアーリア系にしか見えない。
なので、ストーリーにリアル感がまったく感じられない。クイズに正解する毎にその知識を得たというエピソードが挟まれていくのだが、どう考えても無理筋で、こじつけとしか思えない。期待との落差では私の映画体験で最大級。
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”フライト” 2012年公開
デンゼル・ワシントン主演のヒューマン・ドラマ。映画賞はとってないのだが、かなりの高評価を得たようで、興行的にも成功している。
デンゼル・ワシントン演ずる航空機の機長は重大なフライトトラブルをとっさの判断と操縦技術で回避し、機体の胴体着陸を成功させる。ところが血液中からアルコールが検出され聴聞会に喚問されることに・・・。
フライト中に飲酒はするし、聴聞会前夜にも意識を失うまで飲酒してしまう。それ程重症の依存症を抱えたパイロットが実在するとは到底思えない。だって、普通は周囲が依存症のサインに気が付くでしょう。フライトを無断欠勤するとか、息が酒臭いとか。航空機会社もたまには抜き打ち検査ぐらはするはずだし。それが長年に亘って発覚しないなんて!そもそも脚本自体が最初から破綻している。
で、聴聞会の終盤になって、デンゼル・ワシントンがこれ見よがしの大芝居を打つのだが、その白々しいこと。なにが高評価を受けるのかまるで理解不能だ。
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