地味だけど新鮮、アメリカ映画 "コロンバス"
さりげないカットと細かいセリフを積み上げて徐々に登場上人物の人となりやバックグラウンドを掘り下げていくというのは、良い映画であるための大事なポイントだ。
この"コロンバス"という映画はそれに加えて、物語の舞台である街全体をもう一つの主役として取り込み、映画の魅力を更に高めている。建築には詳しくないのだがインディアナ州にあるコロンバスはモダニズム建築で有名とのことだ。それらの建築群を劇中のシーンに挟んでいくのだが、陰影に富んだその映像が実に魅力的で美しい。
ストーリーはシンプル。高校を卒業したばかりで地元図書館でアルバイトとして働く女性が韓国からやってきて街に滞在を余儀なくされている男性と知り合い交流していくというだけ。二人を結ぶ共通点がモダニズム建築。話に起伏はないのだが最後までずっと惹きつけられる。主役である女優ヘイリー・ルー・リチャードソンのチャーミングな演技と魅力的な建築群の成せる技だろうね。
私にとっては久しぶりの超掘り出し物映画なのだが、私が知らなかっただけで世界各地の映画祭で評判をとっている。
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監督は韓国出身のKogonadaという人、日本の映画監督小津安二郎を敬愛しているとのことだ。
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