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2021年12月

2021年12月27日 (月)

駄作な映画3連発

 駄作映画は山ほどあるのだが、いつまでも心に残る駄作映画というのはそれ程多くない。大抵は途中で視聴を止めてしまうからだ。後にはなにも残らない。

 世間の評価もそれなりに高い作品で、最後まで見終えることができたものの中から、どう考えても駄作な映画をご紹介。(順不同)

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 ”ユージュアル・サスペクツ” 1995年公開

 ケヴィン・スペイシーがアカデミー助演男優賞を獲得したサスペンス映画、信じがたい事に脚本賞までもとっている。ベニチオ・デル・トロ、ガブリエル・バーンも出演していて渋い役者陣、当時は彼らのギャラも安かったものと思われる。終盤までなかなかに良い展開なのだが、最後の最後に大反則のどんでん返しが待っている。100%あり得ない結末を見せられてすべてがぶち壊しとなる映画もそう記憶にない。

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 ”スラムドッグ$ミリオネア” 2008年公開

 今では超売れっ子のデーヴ・パテール主演。スラムで育ちで全くの無学なのだが、その体験を通じて知識を身に着けたという青年。その青年がTVのクイズ番組に挑戦して勝ち上がっていくというお話。アカデミー賞作品賞を獲得。

 インドが舞台だし、興味をそそられる設定。それにもまして作品賞なのだから、期待感一杯で見始めたのだが、まずは俳優がミスキャスト。いかにも育ちが良さそうで、正調の英語を話すデーヴ・パテールがスラム育ちなはずがないでしょう。風貌からしてもインドに侵入して支配階級となったアーリア系にしか見えない。

 なので、ストーリーにリアル感がまったく感じられない。クイズに正解する毎にその知識を得たというエピソードが挟まれていくのだが、どう考えても無理筋で、こじつけとしか思えない。期待との落差では私の映画体験で最大級。

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 ”フライト” 2012年公開

 デンゼル・ワシントン主演のヒューマン・ドラマ。映画賞はとってないのだが、かなりの高評価を得たようで、興行的にも成功している。

 デンゼル・ワシントン演ずる航空機の機長は重大なフライトトラブルをとっさの判断と操縦技術で回避し、機体の胴体着陸を成功させる。ところが血液中からアルコールが検出され聴聞会に喚問されることに・・・。

 フライト中に飲酒はするし、聴聞会前夜にも意識を失うまで飲酒してしまう。それ程重症の依存症を抱えたパイロットが実在するとは到底思えない。だって、普通は周囲が依存症のサインに気が付くでしょう。フライトを無断欠勤するとか、息が酒臭いとか。航空機会社もたまには抜き打ち検査ぐらはするはずだし。それが長年に亘って発覚しないなんて!そもそも脚本自体が最初から破綻している。

 で、聴聞会の終盤になって、デンゼル・ワシントンがこれ見よがしの大芝居を打つのだが、その白々しいこと。なにが高評価を受けるのかまるで理解不能だ。

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2021年12月25日 (土)

映画昔話、自主上映会の頃

 70年前後、DVDはもちろんビデオレコーダーも登場していなかった。往年の古典映画やマイナー作品を鑑賞するために、自分たちで16mmフィルムを借りてきて上映する自主映画会が盛んだった。私もポスター張りやチケット売りに関わったことがある。

 記憶にあるのは"戦艦ポチョムキン"、ロッセリーニの“戦火のかなた”、ゴダールの“中国女”、ルイス・ブニュエルの"アンダルシアの犬”。日本映画で鮮明に覚えているのは原一男監督作品の“極私的エロス恋歌1974”。

 それらの作品は配信サービスでもなかなか見つけられないのだが、U-NEXTが“極私的エロス恋歌1974”をラインアップしているのを見つけた。超が付くほどのマイナー作品を揃えているのには感心させられるのだが、この作品を見終えるには相当なエネルギーが必要だ。

2021年12月23日 (木)

卑劣な国家、日本

 国が税金一億円を投じて無理やり民事裁判を終結させた。赤木俊夫さんの自死をめぐる損害賠償請求事件だ。事実関係を争わずに一方的に終了させるのは異例中の異例とのことだ。関係者の証人喚問は国によって封じられた。毎日新聞の与良正男氏は「日本はなんて卑劣な国家になったのか」と書いている

 真面目な公務員が自死を選ばざるを得ない状況を招いたのに、原因を作った人たちは今も平然と日常を送っているし、事を闇に葬ろうとしている。民事裁判の終結で真相解明のチャンネルがまた一つ潰されたことになる。

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2021年12月20日 (月)

映画昔話、深夜興行三本立ての頃

 70年代初頭、映画館での上映は日中でも2本立てが普通で、週末ともなると深夜興行で3本立てが人気だった。友人達に誘われて何回か出かけたのが東映の任侠映画3本立て。

 主演は高倉健や藤純子。義理人情に篤い昔ながらの(良い)ヤクザが金儲け主義の新興(悪い)ヤクザに脅かされるというのが話の基本。

 良いヤクザの親分は悪いヤクザにだまし討ちに合い殺されてしまう。一家は散りじりになるが、最後に残った兄弟分の二人が仇を討つために最後の戦いに挑むことになる。高倉健の兄弟分を演じるのは池部良。敵地に乗り込む時はあちこちから「健さん」の掛け声が。ラストシーンが終わりエンディングに入ると大きな拍手が湧いた。

 ポスターは横尾忠則作Takakuraken

 良いヤクザと言うものが本当に存在していたとは思えないのだが、先にアフガニスタンで亡くなった医師、中村哲氏の祖父は小倉で港湾荷役を仕切っていた沖仲仕の親分だったそうだ。映画「無法松の一生」の中で喧嘩の仲裁に出てくる親分がいるのだが、そのモデルとされる。

 蛇足) 港湾荷役はなくてはならないりっぱな実業なのだが、その中からあの山口組が出ている。今の電通あたりは虚業なので、なくても構わないのだが、政治に取り入ってオリンピックという壮大なギャンブルを仕切り、莫大な手数料を取って自分は決して損はしないようにしている。「博徒」の究極の姿かもしれない。

 違う見方をすれば、本物の博徒はエンターテイメント業であるから虚業よりはましだと言えるかもしれない。かつてはヤクザの専業であった人足集め(かつては職業安定法違反)もパソナのような新勢力が隆興している。

 蛇足の2)当時は上映中の館内でタバコを吸うのがあたりまえのようにまかり通っていた。深夜興行ともなれば、スクリーンは紫煙のかなたに霞んで見えるし、座席下の床はタバコの焦げだらけ。今となっては信じられないような有様だった。

2021年12月18日 (土)

映画昔話、移動映画館の頃

 子供の頃の映画体験と言えば移動映画館だ。小学校や地区の集会場に業者が機材一式を持ち込んできて臨時の映画館ができる。学校の講堂には暗幕設備があって昼間でも屋内を暗くすることができた。「授業が無くなり、映画だバンザイ‼」と子供は狂喜乱舞。テレビはまだ校長室にしか置いてなかった。観音開きの扉を開けないとブラウン管の画面が現れないような貴重品。

 母親の実家もそうした移動映画館の会場に家を提供していて、お盆に帰省すると家族全員無料で映画を見ることができた。その実家には上映された映画の宣伝ポスターもたくさん残っていて、今あればお宝なのだが。

 移動映画館は中学に入る前には姿を消し、福井市内にたくさんあった常設館も一つ二つと姿を消していった。

 ところが、最近まで知らなかったのだが、クロサワや小津作品のような有名映画だけでなく、山のように作られた大衆娯楽作品がデジタル化されてたくさん残されている。それらが、今では配信サービスで見ることができるようになっているのだ。U-Nextで日本映画を古い順に並べると出てくる、出てくる。

 小学校で見たと記憶している大映映画の“釈迦”を見つけた。どんなものだったのかと興味津々で見始めたのだが、期待に反して開始早々ギブアップとなった。もはやついていけない。

 で、予告編があった。これを見るともうキラ星のごとく大スターが共演していて、もう一度見直してみるかという気になる。良くできている予告編なのだが・・・。

2021年12月10日 (金)

"日本維新の会”って・・・・。

 先の衆院選のこと。維新が候補者を立てた大阪府内の選挙区で全勝したのには驚いた。田舎に住んでいるとさっぱり実感が湧かないし、不思議でしょうがない。

 なにせ、維新系の政治家はこれまで犯罪や不祥事を連発している。記憶に新しいところではカジノリゾート誘致をめぐる収賄、知事リコールの署名偽造。おふざけ系では市長室にサウナを持ち込んだ池田市長、「汗をかく」ことは自動でできるようになるな・・。

 新型コロナウィルスでも人口あたりの死亡率は大阪府がダントツの1位なのだが、吉村知事の人気は衰えないらしい。

 そんな政党が支持されるって・・・、何故、なに?

 で、関西学院大学の冨田宏治氏がインタビューに応えている記事を見つけた。

 その記事はこちら

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