バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
一年遅れだけど2015年アカデミー賞作品賞をとったこの作品をレンタル視聴。
才気が走っている映画だね。監督もそうだけど、主役も、撮影もすごい。久々に感心することしきり。
落ち目な役者がもうひと花咲かせようと欲を出してあれこれともがくというストーリーなのだが、どうということはないシンプルなストーリーに奇をてらうことなく正攻法で取り組んであれほどまでの作品に作り上げたというのは驚きだ。映画の中には特殊撮影のシーンもあるのだがこの映画にはそれも必然だったと思えてくる。
最近のハリウッド作品はやたら話をこねくりまわして、私から見ると自滅しているような映画を結構見かけるが、そうした映画の対極にある作品だ。
監督はメキシコ出身の“アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ”、作品歴をみると“アモーレス・ぺロス”を監督している。“アモーレス・ぺロス”は私の生涯ベストテンに入れている作品だ。他に“21グラム”、“バベル”も。「なるほどな」と納得。
主役の“マイケル・キートン”という人は全然なじみがなかったのだが、タランティーノ監督の“ジャッキー・ブラウン”に出ている。ATF(銃火気局)の捜査官をやっていたあの人か。
ともあれ、この映画は近年のアカデミー賞作品賞を受賞している中では出色の出来だ。他の受賞作は霞んでしまう。
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