メキシコ映画“クライム・シティ”(原題DIAS DE GRACIA)
先日の“バードマン”に続いて、またもや凄い映画に出会った。“クライム・シティ”は2011年公開のメキシコ映画で、彼の地では数々の賞に輝いたらしい。
この映画は身代金誘拐事件を巡って否応なく社会の闇に巻き込まれていく警察官が主人公のクライムサスペンス。シンプルなストーリーの“バードマン”とはまったく違ってサッカーのワールドカップを重要なキーにして、いくつもの時間軸を自在に行き来する複雑な脚本となっている。
それなので、観てる方としてはストーリーを追いきれずに混乱してしまうのだが、作り手の方はそのことをあまり気にしていないように思える。いわば確信犯だ。そうしてこんがらがってしまった頭にもメキシコ社会のもつ聖と俗をえぐっていく映画の主題はじわじわと伝わってくる。
監督の“エベラルド・ゴウト”はこの作品で脚本、製作もこなしているのだが、作品は今のところこれだけのようだ。ちなみに日本では劇場未公開。
今月のWOWOW視聴料はこの映画で元が取れた上にお釣りが来た。もう一度じっくり観てみたい。
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