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2021年9月

2021年9月18日 (土)

Netflix制作ドキュメンタリー「9・11から20年」

 Netflix制作のドキュメンタリー番組は秀作が多く感心するのだが、"ターニング・ポイント(9・11と対テロ戦争)”は全5話、5時間を超える力作。

 9・11当日の被害者はもちろんのこと、かつてのタリバン政権で閣僚だった人物や反タリバンの北部同盟関係者へのインタビューも行っていて、アメリカ制作の番組としては相当な客観性を持たせたものとなっている。ただ、客観性があるといっても米軍によるドローン攻撃によって被害を受けた人々へのインタビューは無い。

 そうした限界はあるものにせよ、この20年を振り返り、未来のことを考えていくうえで見るべき番組となっている。

 ところで、アメリカ合衆国は建国から現在に至るまで領土拡張と権益確保のために絶えず戦争を行ってきている。戦争に明け暮れてきたと言っても良いぐらいだ。アメリカが関わった戦争の年譜を見ると実に壮観だ。こちら

 そうなので、9・11が発生したというニュースが流れても「起きて不思議はない」と感じられて、驚いた記憶はない。それより強烈な違和感を感じたのがビンラディン殺害の映像を眺めて、歓喜の笑みを浮かべ拍手するノーベル平和賞受賞者、オバマの姿だ。

 このドキュメンタリー映画はそうした疑問に何かの回答を示しているわけではないのだが、問題がどこにあるのかを理解するひとつの手立てを提供している。もちろん受取り手次第なのだが。

2021年9月11日 (土)

武生公会堂でモダンアート

 モダンアートやポップアートは海外の美術館では良く鑑賞する。越前市で"八田豊一"展が開催されているのを知り久しぶりに外出した。

 この作家のことは全然知らなかったのだが、地元で美術教師の傍ら北美運動の中心メンバーとして創作活動を続け、90才の現在もお元気とのことだ。 

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 海外の大きい美術館だと、中世の宗教画がどこまでも延々と展示されているところがある。そうした後にこういうモダンアートを見ると心底ホットする。

2021年9月 5日 (日)

フィンランド映画 "ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像”

 フィンランド映画といえばあまりなじみがなくて、アキ・カウリスマキ監督の小品を何本か見ているぐらい。この"ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像”も同系統のテンポのゆるい癒し系の映画かと思って見始めた。

 ところが意外にも正統派のドラマだ。それも、細部の描写もきっちりとしていて完成度の高い佳作。Heikki Nousiainenという俳優が演ずる主人公の存在感も秀逸だ。

 主人公である老人はヘルシンキで長年古美術店を経営しているのだが、売り上げが低迷し廃業の瀬戸際にある。ある日、オークションの下見で妙に心惹かれる作品に出合い、資金も乏しいのに無謀な大商いに打って出ようとする。そこへ疎遠だった孫が社会実習に押しかけてきて・・・・。

 大商いの結果がどうなるか、謎解きの要素もあって最後まで気を持たせてくれる。大筋としては予想通りに進んで行くのだが、少しひねった結末がなかなかに良いね。こういうラストは好きだ。 この映画、有名俳優を起用してハリウッドでリメイクすると結構稼げるかも。

 フィンランド語は不思議な響きがする。ヨーロッパの主要言語とは系統が離れているようだ。こちら

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