イラク、シリア情勢が混迷の度を深め、ヨーロッパへ難民が押し寄せることになって大変なことになっていると思ったら。先日パリの大規模テロ事件が発生した。
こんなことにったのもブッシュJr.政権が大量破壊兵器があるという事実を捏造したうえに自衛権を拡大解釈してイラク戦争を始めたのがそもそもの原因だと思うのだが、日本では政治家はもちろん、マスコミでも表立ってそうしたことを言う者はなかった。
今回毎日新聞の掲載されたフランス識者へのインタビューで同意見を見つけたのでご紹介する。
ブッシュJr.はもともと悪人顔だが、もっともらしく善人顔をしながら犯罪的な無人機攻撃を拡大し、憎悪の連鎖を招いているオバマの方がもっとタチが悪いのかもしれない。
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テロ後のフランス:識者に聞く/2 ジャック・ラング元文化相 殺人者に文化で対抗
毎日新聞 2015年11月27日 東京朝刊
−−パリ同時多発テロから1週間後の20日、市民に「街頭に出て、音楽を響かせよう」と呼びかけましたね。
◆「野蛮な者たちに気持ちをくじかれ、打ち負かされてはならない。生・暮らしのために闘おう」というメッセージを発するためだ。殺人者は「死」だけを夢見ているが、私たちは犯罪者による支配を甘受せず、「生」を満喫したいのだ。
−−文化による抵抗ですか。
◆文化、知見、教育は狂信、反啓蒙主義、暴力に対抗するための武器だ。政府が30日からの国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)を予定通り開催すると決めたのは良い対応だ。取りやめていれば、テロリストにとっての「大勝利」になっていたところだ。
−−狙われたのはフランスの価値観、文化ですか。
◆生活様式や、暮らしに対するフランス人の情熱が狙われた。だが、音楽、祝祭、出会い、交流を愛するのはフランスだけではない。殺人者はフランスまたはベルギーの出身で、パリを知っており、フランスと関係がある。フランスに憎悪を抱いている人物だったのだろう。
(テロ多発の状況を招いた)主犯はブッシュ前米大統領だ。不法な戦争でイラクを破壊し、不安定化させ、イスラム教シーア派とスンニ派の対立をかき立てた。自国民に戦争を仕掛け混乱を招いたアサド・シリア大統領の行動や、フランスなどがリビアの解体を招いたことにも責任がある。
−−パリの「アラブ世界研究所」の所長としてアラブ・イスラム世界、在仏イスラム教徒へのメッセージは。
◆寛容、平和、自由だ。在仏イスラム教徒は極めて穏健で平和的であり、犯罪正当化のためにイスラム教が使われたテロにショックを受け、憤り、非難している。アラブ諸国についても、欧米メディアでは暴力にばかり目が向けられ、豊かな文化や経済があることが忘れられがちだ。
若者らが過激思想に傾倒する過程はイスラム教とは無関係だ。テロリストのうち2割は他宗教または無宗教からの改宗者だ。道から外れ、非行に走った不良者であり、突然、「英雄」になりたいと思う。過激派組織「イスラム国」(IS)はそんな彼らに「死への出口」を提供しているのだ。【聞き手・福島良典】
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