« 2015年11月 | メイン | 2016年1月 »

2015年12月

2015年12月28日 (月)

メキシコ映画“クライム・シティ”(原題DIAS DE GRACIA)

 先日の“バードマン”に続いて、またもや凄い映画に出会った。“クライム・シティ”は2011年公開のメキシコ映画で、彼の地では数々の賞に輝いたらしい。

 この映画は身代金誘拐事件を巡って否応なく社会の闇に巻き込まれていく警察官が主人公のクライムサスペンス。シンプルなストーリーの“バードマン”とはまったく違ってサッカーのワールドカップを重要なキーにして、いくつもの時間軸を自在に行き来する複雑な脚本となっている。

 それなので、観てる方としてはストーリーを追いきれずに混乱してしまうのだが、作り手の方はそのことをあまり気にしていないように思える。いわば確信犯だ。そうしてこんがらがってしまった頭にもメキシコ社会のもつ聖と俗をえぐっていく映画の主題はじわじわと伝わってくる。

 監督の“エベラルド・ゴウト”はこの作品で脚本、製作もこなしているのだが、作品は今のところこれだけのようだ。ちなみに日本では劇場未公開。

 今月のWOWOW視聴料はこの映画で元が取れた上にお釣りが来た。もう一度じっくり観てみたい。

2015年12月27日 (日)

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

 一年遅れだけど2015年アカデミー賞作品賞をとったこの作品をレンタル視聴。

 才気が走っている映画だね。監督もそうだけど、主役も、撮影もすごい。久々に感心することしきり。

 落ち目な役者がもうひと花咲かせようと欲を出してあれこれともがくというストーリーなのだが、どうということはないシンプルなストーリーに奇をてらうことなく正攻法で取り組んであれほどまでの作品に作り上げたというのは驚きだ。映画の中には特殊撮影のシーンもあるのだがこの映画にはそれも必然だったと思えてくる。

 最近のハリウッド作品はやたら話をこねくりまわして、私から見ると自滅しているような映画を結構見かけるが、そうした映画の対極にある作品だ。

 監督はメキシコ出身の“アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ”、作品歴をみると“アモーレス・ぺロス”を監督している。“アモーレス・ぺロス”は私の生涯ベストテンに入れている作品だ。他に“21グラム”、“バベル”も。「なるほどな」と納得。

 主役の“マイケル・キートン”という人は全然なじみがなかったのだが、タランティーノ監督の“ジャッキー・ブラウン”に出ている。ATF(銃火気局)の捜査官をやっていたあの人か。

 ともあれ、この映画は近年のアカデミー賞作品賞を受賞している中では出色の出来だ。他の受賞作は霞んでしまう。

Bdman

2015年12月18日 (金)

映画 “ニューヨークの巴里夫(パリジャン)”

 主演がロマン・デュリスだし、コメディのようなのでTUTAYAの棚にあったのが気になっていたのだが、DVD版しか置いてなくて借りないままになっていた。それがWOWOWで放映された。

 舞台は序盤のパリからニューヨークへと移り、レズビアンの女友達、偽装結婚とエピソードが盛りだくさんなのだけど、無難にまとめられている。

 出てくる人たちも主人公は作家だし、周囲はアッパーミドルの人や芸術関係者で、田舎住まいの私としては憧れのシティ・ライフ。

 舞台が舞台だし、ストーリーもグダグダと進むので、これで主人公が観客に向かって語りかけだしたら、そのままウディ・アレン映画。安心して見ていられる軽いノリの映画だった。

 この映画はシリーズ3作目だそうで、1作目の”スパニッシュ・アパートメント“はずいぶん昔に見ているのだが、ロマン・デュリスはあまり老けない人だな。いまだに少年の面影が残っている。

York

2015年12月15日 (火)

スーパーでの接客姿勢に違和感

 自宅近くの田舎のスーパーで時々買い物するのだが、最近レジの店員さんの姿勢に違和感を感じるようになった。 

 その違和感を感じさせる姿勢というのは、買い物を終えて私がレジ台に買い物カゴを置くと店員さんが一瞬だけとる姿勢だ。 

 言葉で説明するのは難しいのだが、その姿勢というのは揉み手するようなポジションをとり、手は揉まずに軽く両手の指をつかみ合う。

 ネットで画像を検索するといろいろと出てくる。この写真のバリエーションだね。400x267 
 そういえば、TVの映像でデパートの開店時にずらりと並んだ店員さんがこうした姿勢をとって客を迎えているのを見たことがある。老舗デパートの接客姿勢がローカルスーパーにまで及んできていたのか。

 結構長い人生をおくってきているのだが、田舎の地方都市ではこうした接客姿勢に今までお目にかかったことがなかった。 

 つい最近も郵便局の中央局に出かける機会があったのだけど、そこのゆう貯窓口の担当者が同じ姿勢をとるではないか。 

 普段お目にかからないような動作をされると私の場合は「何かちょっと変だな。」と感じてしまう。 

 多分、接客のコンサルタント会社に大金払ってトレーニングしてもらっているのだろうが、そんな無駄なことをせずにその人が持つ個性を生かした接客をした方が良いのではないかしら。

 ちなみに、そこのスーパーは支払い清算を客自身にさせるATMのような機械を導入したばかりだ。中央局のゆう貯窓口も頼みもしないのに案内人のような人がしゃしゃり出てきて、この紙にこれを書いてあの窓口に出しなさいとせかされる。 

 ゆとりがなくなって画一的なマニュアルが幅をきかせるのはいかがなものか。

2015年12月13日 (日)

追悼:野坂昭如

 野坂昭如は大島渚と並んで強面、辛口な兄貴分として、私の中でのアイコンだ。

 小説の方はあまり印象に残っていないのだが、強烈な個性のコメンテイター、歌手として記憶に留まっている。

 闘病中に口述筆記で毎日新聞にコラムが連載されていたのだけど、あまり読まなかったな。読んでおけばよかったと今になって思う。

 このブログも最近は物故者関係の記事が多くなっているが、私が若い時に親しんだ音楽家や文化人たちが他界していくのは時の流れだから仕方がない。

 私が持っている野坂のLPから一曲

2015年12月10日 (木)

CREAM Reunion Concert

 E・クラプトン、J・ブルース、G・ベイカーらによるクリームは'66年からわずかに3年間だけ活動していたブルースロックバンドなのだが、私は同時代にリアルタイムで聞いていて、2枚組みのLPを買い込んだりしていた。

 その後、長い年月を経て再結成コンサートを行ったのが2005年。このコンサート、DVDでは以前からリリースされていて、最近になってブルーレイ版も出された。

 先月に買ったクロスロード・ギター・フェスティバルのブルーレイが良かったので、この再結成コンサートのブルーレイもついつい買ってしまった。2週間ほどでロンドンから到着、本体1,330円、送料350円。

 メンバー3人とも丁々発止とプレイしている。中でもジャック・ブルース、ベースも良いけどボーカルも味わい深い。残念なことに昨年10月に71歳で亡くなってしまった。

 YOUTUBEにそのショートバージョン(1h23m)がアップされていた。しかもフルHDだ。 

 演奏の合間に有名人だと思われる聴衆を時々アップで映し出すのだけど、判ったのはヘレナ・ボナム=カーター、 ジュード・ロウ、ショーン・ペン。

2015年12月 1日 (火)

ドロミテ・アルプス、トレッキング用の地図が到着

 注文してから12日目、オーストリアから国際郵便で到着した。TABACCO社#29。 本体1,205円、送料257円だった。

Dscn9298

Dscn9299_028

 かなり厚い紙で、結構重たい。量ってみると110gほどもある。厚いのだが、撥水処理はされていないようで耐久性がちょっと不安。ちょっと開いてみただけで折り目部分が少し破れはじめてしまった。

 スペイン・ピレネー・トレッキングで使ったALPINA社の地図の方が撥水処理されていて、しかも軽いので使いやすい。

 ともかく地図を眺めて歩くルートをあれこれと想像してみるのは楽しい。ただし、登山道のストリートビューがあると、そうした地図を眺める楽しみが減ってしまう気がする。

 地図を読むための練習にストリートビューが使えるかもしれないけど。

tool