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2020年3月

2020年3月18日 (水)

Netflixドキュメンタリー“汚れた真実”

 Netflixのオリジナルドラマは玉石混合だけど、社会派ドキュメンタリーには見ごたえがある作品が多く感心させられる。”汚れた真実”(原題:Dirty Money)もその1つで、アメリカ社会のリアルが見えてくる。

 シーズン2のエピソード3ではトランプ大統領の娘婿であって、ホワイトハウスの上級顧問でもある”ジャレッド・クシュナー”の不正や疑惑を追っている。

 彼が経営する不動産会社は数々の不正行為を行ってきたのだが、そのことを追及してきた市民団体のメンバーが番組中でインタビューを受けている。断言して出てきたのが「彼は第1級の無法者(criminal)」という言葉。

 投資の失敗を穴埋めするため、彼の政治的立場を利用して中東の政府系ファンドから融資も引き出している。もちろんトランプ政権誕生後のことなので、まさに政治の私物化。

 低所得者向けのアパートに入居していて被害を受けた人が登場するのだけど、大統領選挙で誰に投票したのか尋ねてみると、返ってきた答えは「トランプ」・・・・。

 「分厚かった上層の労働者階級が没落して、アメリカ社会が南米化している。」という話を読んだのは相当前のことなのだが、そうした状況につけ込んで政治家までがかつての南米のようになってきている。

2020年3月10日 (火)

ソウルで食べたもの

 のんきな話の続き。韓国料理は日本でも馴染み深いのだが、やはり現地で食べるのは格別だ。

 難点は店の看板がハングルだから、目当ての店をなかなか探し当てられないこと。大衆食堂だとメニューもハングル表記のものしかないし、日本語も通じない。

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将軍牡蠣ポッサム

 ポッサムの専門店、いかにもローカルな大衆食堂といった雰囲気がなかなかに良かった。

 ポッサムとは薬草の類と一緒にゆでた豚肉をスライスして、キムチなどと一緒に野菜に包んで食べるシンプルな料理。Img_1848

 各種おかずや鍋料理がもれなく付いてくる。Img_1849

 ポッサム2.5万ウォン、ビール4千ウォン、マッコリ3千ウォンで計3.2万ウォン

 クレジットカードの請求は2,972円だった。ソウルではキャッシュレスのカード払いが日本より普及している。この店も現金払いしかできそうもない雰囲気の店なのだが、サインやPINコード入力も求められずにささっと決済してくれた。

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プチョン・ユッケ

 日本では扱う店がほとんどなくなったユッケの専門店。韓国版ミシュランに4年連続掲載されているとのことで、さすがに旨い。Img_1910

 ユッケ1.5万ウォン、手長ダコのタタキ1.5万ウォン、焼酎4千ウォンで計3.4万ウォン(3,143円)

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乙支麺屋

 老舗の冷麺専門店。周囲はごちゃごちゃと建物が立て込んだ問屋街で、ディープな雰囲気が漂う界隈。日本では見かけなくなったリヤカーも現役で動いている。Img_1878

 冷麺2杯にマッコリを一本飲んでしめて2.8万ウォン(2,602円)

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ユジン食堂

 感じの良いお姉さん達が切り盛りする街角の食堂

 ゆで豚とチヂミをつまみながら焼酎を頼んで、〆に冷麺を一杯。しめて2.5万ウォン(2,322円)

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テソンチャム・スッカルビ

 大人気の焼肉店、夕方早い時間帯に着いたのだけどすでに満席だった。

 お姉さんがカルビ?と言うので頷いたところ、骨付きの豚カルビが出てきた。一番人気のようだ。副菜にチゲ鍋とワタリ蟹の醤油漬けまで付いてきてお腹は一杯。Img_1930

 カルビ2人前にビールを何本か空けてちょうど4万ウォン(3,648円)はお得。人気があるのも頷ける。

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ソルナムキル・テンジャン芸術

 定食が看板のすっきりしたインテリアの韓屋レストラン。豆腐の味噌煮込みをメインにしたテンジャン定食を頂いた。副菜の数々も上品な味。Img_1954

 食べ終わった後に気がついたのだが、付いてくる生野菜を混ぜ込んでビビンバにして食するようだ。定食1.1万ウォン×2、焼酎4千ウォンの計2.6万ウォン(2,416円)

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家族会館

 ロッテデパート13Fに入っているビビンバ専門店、全州市が本店のようだ。石焼ビビンバは美味しかった。副菜も上品な味。Img_1909

 ビビンバ13,800ウォン×2、焼酎5千ウォンで計32,600ウォン(3,014円)

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ムッチョン

 ハイソが集う江南にある居酒屋、お昼には手頃な定食を提供していて近くのサラリーマンが次々に入ってくる。

 英語のメニューからハウス・マッコリを注文したところアルミのやかんに入って出てきた。レトロ感の演出がなかなか良い感じだ。Img_1988

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 海の幸チヂミ2万ウォン、焼き魚1.5万ウォン、マッコリ8千ウォンで計4.3万ウォン(4,023円)、副菜のキムチはここが一番美味しかった。

 周囲の道路はベンツやレンジ・ローバーなどの高級車で溢れている。ベントレーまで見かけた。

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Dansang

 昼ご飯を食べようとして迷い込んだ路地に見つけた洒落た韓屋レストラン。

 ワインセラーまで備えていて、ディナーは相当高いと想像できる。現代グループ本社ビルのすぐ近くなので接待利用も期待できる立地だ。Img_1877

 ユッケビビンバ1.3万ウォン、カルビ焼肉定食2.2万ウォン、ワイン小瓶1万ウォン×2の計5.5万ウォン(5,086円)、今回の旅では一番高い食事となった。 

2020年3月 7日 (土)

ソウル近郊、南漢山城へハイキング

 週末の土曜日である2月29日は快晴との予報もあり、南漢山城へ出かけた。

 山城はソウルの南東にあり、地下鉄とバスを乗り継いで約1時間半、標高500m程の山中にある。いざという場合には外敵から逃れて篭城できるように造られていて、2014年に世界遺産に登録された。ちょうど最近にこの山城を舞台とする韓国映画“天命の城”を見たばかりなので、興味津々のハイキングとなった。

 麓の最寄駅へと向かう地下鉄車内にもハイキング姿の客が目立つ。最寄り駅からは山城へ向かうバスの便があるのだが、それを使わずに麓から登り始めるハイカーもたくさん見かけた。

 私達はバスに乗り換えて山城中心部へ向かい終点で下車した。終点近くには王の居所である行宮が復元されていて、まずはそこを見学。その後はその脇にある山道を通って城壁へと登った。気温は低いのだが風はなく体感温度はハイキングにちょうど良いぐらい。汗をかかないので快適だ。

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 城壁沿いのハイキングコースは地元の人で結構な賑わいだった。天気の良い日に外出を自粛して家に篭るのは愚かなことと心得ているようだ。

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 城壁に沿って砦や門が点在し、ハイキングコースは変化に富んでいる。

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 城壁の総延長は11.7Kmもあるので、一日で制覇するには気合が必要。私達はそのうちの極一部分を2時間程ハイキングしただけ。日が傾く前までには宿に戻れるように早めに帰路に着いた。天気にも恵まれて良い一日となった。

 城の詳細情報はこちら

2020年3月 6日 (金)

ソウル旅行から帰ってきた

 32年ぶりとなるソウルへの旅を手配したのは昨年12月の中旬。その頃にはすでに中国の武漢でコロナウィルスによる新型肺炎が発生していたのだが、当時は知る由もない。

 2月に入ってから日本の感染者が中国についで増えていったのだが、韓国はまだ少なかった。2003年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)の経験もあるだけに日本よりは安全だろうと楽観していたのだが、出発間際になって感染者が急拡大してしまった。

 詳しく調べてみると急拡大しているのは大邱市を中心とする韓国南東部地域で、そこから離れているソウル市内の感染者は二桁台に収まっている。韓国は検査体制が日本よりはるかに整備されていることもあり、公表されている数字が実態に近いだろうとの希望的観測で予定どおり出かけることにした。人間は事実を自己の都合の良いように解釈してしまうものだ。

 小松発ソウル行きの飛行機は当然にもガラガラに空いていた。空港から市内へ向かうリムジンバスも乗客はわずかに6名ほど。ホテル到着後に情報を収集してみると博物館や美術館など、屋内の観光施設は前日からすべて閉鎖されてしまっていた。

 それでも李朝時代の王宮は閉鎖されずに公開されていたので、翌日からはそれらの世界遺産を巡っていった。さすが儒教の国だけあって、65才以上はパスポートを提示するだけでどこも入場無料。

 どの王宮も団体客は皆無で、わずかな個人観光客が訪れているだけ。参加無料のガイドツアーは中止となっていた。

 人影もまばらな景福宮、2月28日午前11時Dscn2455

 地元の人はというと、オフィスは普段どおりのようだが、やはり夜になると通りには人出が少なくなる。行列が必須と言われる人気の食堂も空いていて、待つことなくすぐに席に案内してもらえる。

 市内の通りを歩くのにもちょっと緊張感があって、普段とは違ったソウルを体験できたのだが、果たして「結果オーライになるのか、ならないのか」はもう少し時間が経過しないとわからない。

 ソウル市の人口は約1,000万人。それに対して旅行当時の公称感染者は100人未満なので、感染者に遭遇して罹患する確率は宝くじの高額賞金に当たるようなものだ。しかしどっこい、当たる時には当たる。お隣の石川県では東京への出張で感染者が出ているぐらいだから、今のところ不要な外出は控えている。

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