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2013年5月

2013年5月31日 (金)

橋下氏批判

購読している毎日新聞に大阪本社編集局長名で橋下氏批判が掲載されていた。事実経過を踏まえた理性的な批判で、しかも簡潔である。

橋下氏が記者会見で何時間弁明しようとも、この簡潔明瞭な文書にはかなわないだろう。久しぶりにすっきりした。

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以下毎日JPから全文転載

橋下・日本維新の会共同代表:慰安婦発言「誤報」の主張 橋下氏に反論する=大阪本社編集局長・若菜英晴

毎日新聞 2013年05月30日 東京朝刊

 日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が、従軍慰安婦を巡る発言の報道に対し、「誤報だ」と繰り返し主張している。本紙に関しては、具体的にどの記事を指しているのか定かでないが、「自分の真意を伝えないメディアの報道がおかしい」という趣旨のようだ。

                       

 経過を振り返る。今月13日に問題の発言があり、本紙は同日夕刊最終版(大阪発行)から報道した。大阪 発行の14日朝刊では、沖縄の米軍に「風俗業活用を」と話したことも含めて記者団との一問一答を掲載し、ネットでも公開した(毎日jpに一問一答記事を掲 載)。橋下氏は14日、自身のツイッターで「かなりフェアに発言要旨を出している。毎日の一問一答がある意味全て」と書き込んだ。しかし、17日の囲み取 材で「大誤報をやられた」と語り、メディア批判をさかんに展開し始めた。

                       

 橋下氏は「メディアは一文だけ聞いてそこだけ取る」「文脈をきちっと取って報道すべきだ」と言う。では、14日の一問一答全体や文脈から何が伝わったのか。沖縄の地方紙、琉球新報の18日社説はこう書いている。

                       

 「『海兵隊の猛者の性的エネルギーをコントロール』するはけ口として、生身の女性をあてがおうとする発 想そのものがおぞましいのだ」「(戦時中)『慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる』と述べたが、『分かる』はずがない」「沖縄の代弁者であるかのように 装うのはやめてもらいたい」。同感である。

                       

 橋下氏は後に「風俗業発言」は撤回したが、文脈から伝わったのは、従軍慰安婦問題の見解や歴史認識以前 の、橋下氏の人権感覚、人間観ではないだろうか。国内外に批判が広がったのもこの点にある。「報道で正反対の人物像・政治家像が流布してしまった」と橋下 氏は言う。しかし、流布した原因は橋下氏の発言、言葉そのものにある。報道批判は責任転嫁だ。ましてや、「日本人の読解力不足」との指摘はあたらないし、 「他国も同じようなことをした」との主張は論点のすりかえと映る。

                       

 「バカ」「頭が悪い」……。橋下氏はツイッターで毎日新聞や批判的なメディアに対してこのような言葉を 繰り返しぶつける。これにはいちいち反論もしないが、政治家であるならば、冷静で吟味された言葉で語るべきだ。荒っぽい言葉を「本音」ともてはやすこと は、人を傷つけるだけでなく、国益も損なうことを今回の問題は示している。

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橋下氏慰安婦発言:記者団との一問一答(要旨)

毎日新聞 2013年05月14日 00時16分(最終更新 05月14日 13時07分)

 橋下氏と記者団の一問一答(要旨)は次の通り。                       

 ■13日午前                       

 −−日本の植民地支配と侵略を謝罪した村山首相談話について。                       

 「侵略」に学術上きちんとした定義がないことは安倍首相の言う通りだが、敗戦の結果として侵略だということは受け止めなければいけない。ただ、事実と違うことでわが国が不当に侮辱を受けていることに関しては主張しないといけない。                       

 従軍慰安婦問題も、意に反してそういう職業に就いたということであれば配慮しなければいけないが、なぜ 日本だけが取り上げられるのか。慰安婦制度は世界各国の軍が活用した。朝鮮戦争やベトナム戦争でもあった。銃弾が飛び交う中で命をかけて走っていく時に、 精神的に高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる。韓国とかの宣伝の効果でレイプ国家というふうに見られ てしまっているのが一番問題だ。

                       

 ■13日午後                       

 −−従来より踏み込んだ発言だが。                       

 聞かれなかったから言わなかっただけ。当時の状況で(慰安婦制度を)活用していたのは事実。自らの意思でそういう職業に就いた人もいたでしょうし。現代社会だって風俗業が職業としてある。                       

 −−慰安婦の意に反しても必要か。                       

 意に反して慰安婦になったかどうかは別にして、軍の規律維持のために、慰安婦制度は当時は必要だった。                       

 −−今は。                       

 認められない。慰安婦制度じゃなくても、風俗業は必要。普天間飛行場に行った時、「もっと風俗業を活用 してほしい」と言ったら、米海兵隊司令官は凍り付いたように苦笑いして「米軍では禁止している」と。建前論ではだめだ。そういうものを真正面から活用して もらわないと、海兵隊の猛者の性的なエネルギーはきちんとコントロールできない。                       

 −−活用していないから事件が起きるのか。                       

 活用したから(暴行)事件が収まるという因果関係にあるようなものではない。                       

 −−世界各国が活用したと言うが、どこか。                       

 米軍も活用した。沖縄の占領時代も、日本人女性がそういう商売に携わっていたのは事実。いいか悪いかは 別として、あったのは間違いない。なぜ世界で日本が非難されているか国民はもっと知っておかないといけない。軍や政府が国を挙げて慰安婦を暴行脅迫拉致し たという証拠が出れば、日本国として反省しないといけないが、今のところはそういう証拠はないと政府が閣議決定している。

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琉球新報社説から全文転載

橋下氏釈明 認識の根本が誤っている

2013年5月18日 

 沖縄の米軍に風俗業の活用を勧める発言の釈明として、橋下徹大阪市長は「国際感覚が足りなかった」と述べた。だが、彼に何より足りなかったのは人権感覚だ。人間認識の根本的な誤りに気付いていないのが問題なのだ。
 橋下氏は「米国の風俗文化の認識が足りなかった」と述べた。風俗文化の知識の多少が問題だったという認識なのか。あきれてものが言えない。
 さらに、「風俗」が売春を意味するか否かなど、どうでもいいことに問題をすり替えようとしているが、問題は別にある。「海兵隊の猛者の性的エネルギーをコントロール」するはけ口として、生身の女性をあてがおうとする発想そのものがおぞましいのだ。
 「あてがわれる」立場に自分が置かれたら、と想像してみるがいい。橋下氏は、そんな最低限の想像力も持ち合わせていないのだろうか。その欠如は許し難い。
 「慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる」と述べたが、「分かる」はずがない。周りを自分と同じだと思われては迷惑だ。
 しかも彼は、自らの沖縄への差別的まなざしにも気付いていない。在沖米軍に言うからには、あてがう場所は沖縄が前提だろう。そのような施設を、自らの足元の大阪市にも置けるのか。
 橋下氏の持論はそもそもの前提が間違っている。風俗活用発言は米兵の事件抑止が狙いのようだ。強姦犯は性衝動に突き動かされて犯罪をするという発想が前提にあり、風俗の活用がその処方箋になると考えているのは明らかだ。
 では彼は、風俗がなければ性暴力が発生するというのか。典型的な「強姦神話」であり、前世紀の遺物的発想そのものだ。強姦犯は、衝動どころか用意周到に 場所と機会を選んでいる卑劣漢だというのはもはや常識だ。そんな常識と正反対のジェンダー意識を持つ人物が21世紀の今、行政のトップ、公党の代表である ことが信じ難い。
 橋下氏は、女性をモノ扱いしただけでなく、「強姦神話」を前提にすることで、男性をも愚民視しているのだ。
 橋下氏は、発言の背景として「それくらいのことを言わなければいけないくらい、沖縄の状態は鬼気迫るものがあるということ」と述べた。いったい誰が頼んだというのか。沖縄にこと寄せて、さも沖縄の代弁者であるかのように装うのはやめてもらいたい。


       

2013年5月24日 (金)

ドイツ映画「白いリボン」

かなり以前に録画してあったのだが、あまりに地味そうなので未見のままになっていた。
ようやくにして見始めてみると、美しいモノクロ映像に最初から魅せられてしまった。

時代は第一次大戦直前。
この時代が背景でドイツ農村を舞台にした映画はこれまで見たことがない。それだけで興味がひかれる。
俳優たちも私には馴染みがないので新鮮だ。見てる方もまるでその時代にその農村の住民の一人になったような気がしてくる。

見ておくべき映画だ。

同じように農村の生活を描いたイタリア映画「木靴の樹」を思い出した。

この映画も’78年にカンヌのパルムドールを獲っている。

2013年5月19日 (日)

取立山、水芭蕉

5月17日(金)に取立山(1,307m)へ。
取立山へは今年はこれで2回目、昨年同時期にも登っているが、今年は雪が多く残っていて、ちょっと高山にきた気分。
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この日は視界も良く、頂上からは残雪の白山がくっきり。
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水芭蕉はまだ咲き始めで、かなりがまだ雪の下に隠れていた。
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2013年5月14日 (火)

John Hiatt

ネット回線を増強してからYouTubeのフルHD映像を視聴するのが快適になり、好きな音楽関係の映像を探して、よく見るようになった。

見つけたのがJohn Hiattのスタジオライブ。

この人はネビル・ブラザーズのセッションライブにゲスト出演していて、それで知った。

インパクトのある面構え、しゃがれ気味の声が好きになり、CDも購入。
シンプルな大人のロックは今も大のお気に入りだ。

調べてみると半年ほど先輩だが、私と同い年だ。

2013年5月 9日 (木)

PCMrak7

OSをWindows7にし、メモリーも増強したので、久しぶりにベンチマークを走らせてみた。
ソフトはFuturemark社のPCMark7 Basic

総合スコアは期待以上で3309
Pcmark_2

同一ハード構成の結果をオンラインで比較してみると、なんと2位につけている。
ベンチマークのために特別な対策しているわけでもないのだが。
Pcmarkcper_2

かなり古いハード構成なので、スコアを上げるのに熱心なやつがもういないのだろう。
それと、サムソンのSSDがかなり優秀で、それがスコアを押し上げているようだ。
まあ、ともかくすっかり気分を良くした。

ハード構成はこれ
Pcmarkhard

2013年5月 6日 (月)

ホノケ山、塩の道

ホノケ山(737m)は昨年夜叉ヶ池に登った帰りに、この山の登山口の標識が目に付き、ずっと気になっていた。
連休後半の5月5日(日)、天気も良さそうなので出かけてきた。

旧南条町(現南越前町)の谷あいにある奥野々集落から林道に入る。
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しばらく林道を進むと行き止まりとなり、駐車スペースがある第二登山口に到着する。
歩き始めると広葉樹の新緑がすがすがしい。道もよく手入れされていて歩き易い。
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この道はかつて敦賀、河野と府中(現越前市)を結ぶ重要な峠道であり、塩や海産物が運ばれていたらしい。
山肌に切り込まれた「切り通し」があちこちに現れ、往時の様子を偲ぶことができる。
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ブナの林もすばらしい。
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1時間ちょっとで菅谷峠に到着。広域林道が峠を横切っているが自動車は見かけない。
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河野、敦賀方面へと下る道も手入れされていて、歩いていけるようだ。
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峠の案内板
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この峠から山頂まではすぐ、30分ほどで到着。
かすんでいて視界はあまり良くなく、越前市街地方面が望めただけだった。
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下山にかかると、家族連れやグループのハイカーが何組か登ってきて結構なにぎわいとなってきた。

北陸道の脇道とはいえ、重要であった峠道がほぼそのまま残っているのは貴重だと思う。自然も豊かだし、道も歩きやすく、家族連れなんかには格好のハイキングコースだ。

帰路、越前市の蕎麦どころ「かめや」に寄り、天おろしそばを食す。そばの量も多めで、大根の辛さもちょうど良いぐあいだった。

2013年5月 3日 (金)

Kinks(キンクス)

キンクスと言えば中学生の頃に「Sunny Afternoon」をラジオでよく聞いていた。
初期のヒット「You really got me」はロックのクラシックになっている。

その後、高校生になってからEPシングル盤を数枚買ったことがあるだけなのだが、世間には根強いコアなファンが今でもたくさんいるようだ。
3百円ぐらいで買ったそのEPシングル盤は、ヤフーオークションがまだ無料だった頃(2000年)に1万500円で売れて、買った人から感謝のメールをもらった。

今はベスト2枚組みCDをPCのハードディスクに取り込んでいつも聞いているが、いかにも英国のバンドらしい曲が一杯で飽きない。

このバンド、活動停止中なのかと思っていたのだが、1996年にすでに解散しているようだ。

ところで、そのキンクスの頭目であったRay Daviesのライブ・コンサート(2010年)がWOWOWで最近放映された。こんなライブが自宅で見られるとは思ってもみなかった。

私が知らなかっただけなのだが、Ray自身は最近も活発に活動していて、アルバムも出しているし、昨年は来日してフジロックにも出演している。

’44年生まれだからもうすぐ70才なのに、まあ元気だね。

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