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2015年2月

2015年2月21日 (土)

スペイン、宿探し

 観光旅行に限らないが旅の重要な要素であるのが宿だ。特定の宿に泊まるために旅行するということもある。

 私の宿探しは限られた予算のなかでいかに安くて快適な宿を見つけ出すかということなのだが、これがなかなかに難しい。

 インターネットがなかった時代は、ガイドブックに載っているせいぜい数十軒の中から予算にあったものを選ぶか、あとは現地に行ってから飛び込みで適当な宿に泊まるかだけでさほど選択の余地はなかった。

 現在では宿を利用した人がその宿を評価する口コミサイトが発達し、昔とは比べられないくらいに得られる情報量は増えている。しかし、情報が増えた分だけかえって迷ってしまうことも多い。誰だかはっきりしないような個人の口コミは当てにならないこともあるのでなおさらだ。

 今回、スペイン旅行の宿探しもまずは口コミサイトでリサーチ、次に最近よく利用しているホテルの予約サイトの口コミをチェック、後者の場合は実際に宿泊した者しか書き込みできないので信用度は高くなる。調べていくと、マドリッドやアンダルシアの宿はとても安くてお得感があることがわかった。

 一昨年に訪れたミュンヘンから比べると、マドリッドでは半分以下の料金で同程度の宿が取れる。昨年訪れたニュージーランドの地方都市と比べると、ニュージーランドではドミトリー(相部屋)しか泊まれない料金でも、スペインのアンダルシア地方ではバス付きの個室に泊まることができる。

 スペインには’98年に一度訪れていて、その時アンダルシアの地方都市コルドバのオスタルに飛び込みで泊まったことがある。パティオ(中庭)を備えたローカル色豊かな良い宿で、部屋は狭いがバス付きのシングル(セミダブルベッドのシングルユース)が1泊2,500ペセタ(当時のレートで2,500円)という安さで、感動すらしてしまった。

 その後スペインペセタもユーロに通貨統合され、その際に物価が上昇してしまったとの情報をどこかで読んだこともあり、今では宿代もさぞや値上がりしているのだろうなと思っていた。ところが、ホテルの予約サイトに掲載されていたその同じ宿が、そうした予想に反して一泊3,384円からとなっているのだ。

 ユーロに対して円は随分と下がっているので、その料金にはちょっと驚いた。ネパールのカトマンズよりも安いぐらいだ。スペインとネパールとでは人件費や物価がまったく違うのに、そんなに安くてどうしてやっていけるのか不思議だ。

 そんな料金でスペインを泊まり歩けるのだから旅行者にはありがたい事だ。スペイン経済も何かと大変なようなのだが、今回の旅行で少しぐらいは貢献できるかもしれない。

98年に泊まったHostal Maestre(コルドバ)、一泊2,500円だった。今は3,384円からHstlmaest

2015年2月19日 (木)

グランド・ブダペスト・ホテル

 ツタヤの新作コーナーから準新作に移っていたので、ようやくにしてレンタルした。監督はウェス・アンダーソン

 この人の作品を観たのは“天才マックスの世界”が最初で、それ以来目に留まれば視聴するようにしている。どの作品も独特で、登場人物も変な人ばかり、彼だけしか作れない世界が展開する。あの世界に馴染めない人にはただの駄作にしか思えないだろう。

 今回の“グランド・ブダペスト・ホテル”はこれまでと違ってミステリー仕立て、主人公が過去を回想する形でストーリーが進んでいく。良くあるといえば良くある手法だ。

 だけど、ウェスが作るとありきたりに思える手法も新鮮に感じられる。登場人物のキャラクターも、舞台装置もウェスワールド全開だ。キャストもこれまでのウェス作品の同窓会のようで、あの人この人、あちこちに出てくる。

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 そういうわけで最後まで一気に楽しめました。世界の主要映画評で軒並み上位に入っているようだ。ミステリー仕立てのせいもあるだろうけど、これまでとは違ってたいていの人が楽しめる作品になっている。

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これが受け付けられないようだったらウェス作品を観るのはもうよした方がよいだろうね。

2015年2月16日 (月)

マドリッド行きのチケット

 スペイン旅行の計画がにわかに持ち上がり、7月出発で小松空港発着のチケットをリサーチした。その結果、何かと世間を騒がせているコリアンエアーが安い料金を出しているのを見つけた。往路の乗継に9時間もかかるのが難点だが、何しろ安いし、小松空港までのアクセスが楽だという2つのメリットの方が上回る。早速にコリアンエアーのウェブサイトで直接購入した。

 ところが喜んだのも束の間、1週間もしないうちにコリアンエアーからメールが届き、ソウル~マドリッド間が減便になり、フライトがキャンセルなったと知らせてきた。

 電話してみるとキャンセルされたソウル~マドリッド間のフライトを他社便で代替するとの提示をされた。しかし、乗換回数が増えるうえにマドリッドまでの所要時間も増えてしまうことになる。提示された代替便ではこれまで乗ったことのないKLM航空やエールフランスに乗れるので、そのことへのちょっとした未練もあったのだが、あきらめてキャンセル払い戻しの手続きをとった。

 さて次にどうするかとリサーチを続けたところ、名古屋発着のFinnairがかなり安い運賃を出していた。ヨーロッパ系の航空会社では最安、タイ航空よりも安い、しかもマドリッドまでの所要時間が乗継時間を含めて16時間ぐらいと最速だ。

 Finnairはなかなかユニークな会社だ。国内の需要規模は小さいし、ヨーロッパの辺境に位置するのでヨーロッパ内の路線需要を取り込むことも期待できない。ただ、アジアから眺めるとヨーロッパ(EU)の都市で最も距離が近い都市がヘルシンキなので、ヘルシンキ空港をハブにしてアジアとヨーロッパ間の乗継需要を取り込むのにはなかなか良いポジションに付けている。

 実際にアジアとヨーロッパを結ぶハブ機能の開拓に熱心なようで、フィンランドへの旅客需要がそれ程ありそうもないのに日本へは3都市にも乗り入れしている。東アジアや東南アジアからの旅客需要はこれからも伸び続けるだろうから前途は有望だね。

 営業方針も変わっている。ファーストクラスが無くて、ビジネスクラスとエコノミーの2本立てだ。機内食も最低限のものだけ用意し、オプションとして購入する追加の食事を用意している。なかなか割り切っていて、そうした営業方針は私のような一般エコノミー客にとっては好ましく感じる。

 ところでフィンランドを代表する企業ではNOKIAが有名なのだが、NOKIAの会長が海外出張する時はFinnairのビジネスクラスで済ますのだろうか、それとも他社のファーストクラスを利用するのだろうか。もしかして自社の専用機?

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 これまでマイレッジを貯めることを優先させて、スターアライアンス系の航空会社を利用してきたのだが、制度の改変でエコノミー客にはマイレッジのメリットがほとんどなくなった。そのおかげで今回のように私にとっては航空会社の選択肢が大幅に増えることになった。振り返ってみると、マイレッジに縛られていた頃というのはなんと不自由だったのかと実感する。

2015年2月11日 (水)

ヘッドフォンアンプを買ってみた

 回路の集積が進み、その量産化効果によってかつては高価だったDAC(デジタルアナログコンバーター)とデジタルアンプがすっかり安くなっている。

 普通のアナログアンプは持っているのだが、ヘッドフォン専用のアンプはこれまで持っていなかった。ヘッドフォン専用アンプは音質が良いらしい。そこでネットで評価の高いFOSTEX製のヘッドフォンアンプを買ってみた。

 FOSTEXはオーディオファンにとっては昔から馴染みの会社で、私もスピーカーユニットを何度か買っている。

 今回買ったのは“PC100USB”という製品で、PCからUSB経由で取り出したデジタル信号をアナログ信号に変換して、ヘッドフォンで再生できるように増幅する。という働きをする。お値段は税込み5,160円だった。

 外観はといえば、ただの小さい金属箱にボリュームノブと最小限の端子が背面に付いているだけで、シンプルさを絵に描いたようなやつだ。

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 小さいのだが結構ずっしりとくる重量で、ボリュームを廻しても本体がつられてふらつくようなことはない。背面のRCA端子からは別の高出力アンプへ接続することもできる。

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 さっそくノートPCへ接続し、手持ちのヘッドフォン(オーディオテクニカ ATH-A900)を使ってネットワーク経由で圧縮音源(WMAロスレス)の音楽を再生してみた。PCのヘッドフォン端子に接続した場合とははっきりと違いが判る。ノイズが消えて音が明瞭になり、ボリュームを上げてもやかましい感じがしない。

 次に自作のデスクトップ機にこのヘッドフォンアンプを接続してみた。普段のデスクトップ機ではサウンドカードからアナログ信号を古いアナログアンプ(YAMAHA AX-590)へ入力し、そのヘッドフォン端子で聞いている。その環境と比較してみたのだが、何度か聞き比べてもどちらが良いのかは私の耳でははっきりとはわからない。

 デスクトップ機の方はサウンドカード(ONKYO SE-200PCI)に1万数千円の結構な投資をしているので、5,000円の音にあっさり負けなかったことは良かったと言えば良かったのだけど。

 冬場は暖かいダイニングでノートPCを使って仕事をしている。このヘッドフォンアンプを導入したことにより、気持ち良い音で“ながら聞き”ができるようになった。PCの音質をわずかな投資で改善できるのは素晴らしい。

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 かつてはニッチな市場で小さな専業メーカーしか出していなかったヘッドフォンアンプなのだが、PCで音楽を再生することが定着したことにより、大手メーカーが進出してきている。多彩な製品が出回るようになって、3万円から10万円ぐらいの製品が売れ筋になっているようだ。

2015年2月 8日 (日)

往年の西部劇スター、リー・バン・クリーフ

 いにしえの西部劇を代表するスターといえば”ジョン・ウェイン“なんだろうが、私が洋画を見始めた頃はすでに最盛期を過ぎていて、リアルタイムでは彼の映画はほとんど知らない。

 それなので私にとっての西部劇スターは“荒野の7人”に出演しているような面々だ。

 この“荒野の7人”には出演していないのだが、私に強烈な印象を残しているのが“リー・バン・クリーフ”。2枚目にはかなり遠いので脇役が多いのだけど、主演作もある。

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  その貴重な主演作がNHK BSで最近放映された。タイトルは“鷲と鷹”、共演はこれまた渋い“ウォーレン・オーツ”だ。

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 ストーリーはちょっと異色、川の渡し船をめぐって強盗団と船頭が攻防を繰り広げる。船が舞台装置となっている西部劇というのはちょっとないよね。

 登場人物のキャラクターもよく作り込まれているし、とにかく役者が渋すぎる。

 二人ともとうの昔に故人となっているのだが、調べてみるとウォーレン・オーツは53才で、リー・バン・クリーフは64才でこの世を去っている。

 放映してくれて、NHKには感謝だね。この映画、DVD化されていないので本当に貴重な放映だった。

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